1か月ほど前に電波望遠鏡で銀河系中心部にあるブラックホールの姿を捉えたというニュースがありました。
ブラックホール自体は光るわけではないので、その周辺にあるガスなどが発する光が強い重力で曲げられて
できた「光子リング」を捉えたもので、「ブラックホールシャドウ」と呼ばれるイメージなのでした。
以前からその位置には「いて座A*」という電波源があることが知られていて、その実体がブラックホール
であることが確実視されていたそうです。
その銀河系中心部を普通のカメラレンズで撮影したのがコレです。
2015年4月 八千穂高原にて撮影した画像をトリミング
大雑把な写野はこんな感じ。
AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション
いて座A*は写野のほぼ真ん中に入っていることになるんですが、天の川の一際明るい部分からは
西にズレていて、むしろ黒っぽいエリアに位置しているんです。その部分は星が少ないわけではなくて、
濃い星間物質が遠くの星たちの光を遮って、暗く見えているに過ぎません。
実は先月、さらにクローズアップした画像を撮ったのでした。
キヤノンEOS Ra+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO1600,ASTRO LPR Type2フィルター,1.6倍クロップ,
総露出時間48分(4分×12コマ,加算コンポジット),タカハシEM-200Temma2M赤道儀,
口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド(ステラショット2使用),トリミングあり
いて座A*は写野内の右端寄りのエリアにあるんですが、その辺りは暗く沈んだ地味なイメージで、
銀河系中心部とは思えないほど華やかさに欠ける天域でした。
いて座A*は電波の帯域では明るいんでしょうけど、可視光域では目立った天体が写るようなことはなく、
またつまらぬものを撮ってしまったって感じです。
なお。撮影したのはこんなエリアです。
AstroArts社ステラナビゲータによるシミュレーション
ちなみに、茶色の線は銀河座標系における緯度・経度線であり、その原点がいて座A*と一致していました。
当たり前と言えば当たり前のことか・・・
つまらないのかどうかがわかりませんが・・・宇宙は美しいですね💛
こんな拙い画像でも、宇宙は美しいと感じていただけましたか。
今回は(いや、いつも?)ちょっとマニアックな被写体でしたね。