働き方改革のお蔭で今月前半の有休消化を課せられてしまい、とりあえず今日休むことに。
そこで昨日、仕事を終えてから急遽☆撮り遠征を敢行しました。
行き先の選択肢が3箇所ほど浮かびましたが、好天が一番期待できると踏んだ伊豆稲取をチョイス。
ちょっと出遅れたため、現地到着は23時頃になってしまいました。
メインターゲットは彗星2つでしたが、彗星以外で唯一撮影した散光星雲の画像を先に紹介。
【ばら星雲 NGC2237】
キヤノンEOS60Da+タカハシε-180EDC,F2.8,ISO800,
総露出時間60分(6分×10コマ,加算平均コンポジット),
タカハシEM-200Temma2M赤道儀,口径25mmガイド鏡にて恒星オートガイド,
トリミングあり,静岡県東伊豆町稲取にて
コイツを撮るのは2年ぶり。個人的に☆撮りを始める切っ掛けとなった想い入れの強い天体で、
1990年代にはコレをできるだけ綺麗に撮りたいという欲求に駆られていた時期がありました。
その頃はまだ銀塩フィルム全盛の時代で、一コマに数十分もの露出時間を掛けて撮っており、
先般、画像ファイルの整理をしていて、銀塩フィルムでのベストショットが見つかりました。
キヤノンEF+ビクセンR200SS(初代コマコレクター付),F4,エクタクロームE200(+2増感),
露出時間45分,タカハシEM-200赤道儀,口径65mmガイド鏡にて恒星オートガイド,
ミノルタQuickScan35フィルムスキャナーにてPC取込み,長野県川上村にて1999年12月撮影
当時、赤い散光星雲(HⅡ領域)の描写力に定評のあったコダックのリバーサルフィルムを使って
45分露出で撮った画像です。使用望遠鏡は800mmの焦点距離で、35mm判で丁度よく収まるような
画角でした。現在使っている望遠鏡の焦点距離は500mmで、カメラはAPS-Cサイズのセンサーを
搭載しており、換算焦点距離は1.6倍になるため、偶然ですがほぼほぼ同じ写野となってます。
星雲の色合いは画像処理の仕方でも変わったりするんで、ちょっと比較し難いんですけどね、
濃淡の出方の違いなんかは歴然としていて、やはり隔世の感があります。
ところで、☆撮り屋の赤い星雲への憧れは、モノクロ銀塩フィルムの時代から既に始まっていて、
自分が知る範囲では1980年代以前にはコダックの103aEという長波長光が良く写るように作られた
天体撮影用フィルムとR64フィルターという約640nm以下の短波長光を通さないように設計された
シャープカットフィルターとの組み合わせで散光星雲撮影が盛んに行われてました。
半導体光センサー搭載カメラの時代になっても、その様なフィルターワークは通用するんですが、
カメラ自体に内蔵されているカラーバランス調整用のフィルターの特性で写り難くなっていては
あまり意味がなくて、天体撮影専用機などというニッチ市場向けモデルをメーカーが作ったり、
内蔵フィルター換装改造などというサービスを行うショップがあったりする訳です。
この分野だけはスマホの搭載カメラへの対応は難しいでしょうね。需要が考えられないですから。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます