イタリア村からの帰路、交差点に立つと、港の静寂を霧のように埋め尽くす雪の結晶が、水銀灯の光を受けて繊細なレースカーテンを編み出していました。レースカーテンのかかったすりガラスの向こうには、帆船をイメージしたというポートビルが夜空に白い翼を広げています。
名古屋港には、現役を退いた南極観測船ふじが係留されています。
濃いオレンジ色に塗られた頑強な船体は、降り続く雪を自らへのはなむけのように全身で受け止めています。
雪明りに目を覚ました暖色の躯体は、降りしきる雪を紙吹雪に変えて全身で受け止め、明かりを煌々とともしてクルーの乗船を待っています。
ディーゼルエンジンが轟音を上げて始動し、人々の夢を乗せた流線型の城が、黒い煙を吐き出しながらゆっくりと岸を離れる姿が目に浮かびます。
南極観測船には雪が似合います。
南極観測船の威厳に圧倒され、気がつけば辺りは雪の静けさに包まれたまま。
とどろくエンジンの雄たけびも波を蹴り出すスクリューの身震いも、雪夜が描き出す幻想でした。
ふぅ。南極観測船から先はほとんど誰も歩いていないようで、雪が深く積もっています。普通のブーツを履いてきちゃったので、あまり奥には行けません。お腹も空いてきましたし、このあたりで切り上げましょう。
電車を降りると、駅前の駐輪場で多くの自転車が雪に埋もれていました。早くご主人様が帰ってくるといいね。
雪の名古屋港の写真はこちらにも。
イタリア村の雪景色はこちらから (リンク先の記事を第1回として連載記事になっています)。
名古屋港には、現役を退いた南極観測船ふじが係留されています。
濃いオレンジ色に塗られた頑強な船体は、降り続く雪を自らへのはなむけのように全身で受け止めています。
雪明りに目を覚ました暖色の躯体は、降りしきる雪を紙吹雪に変えて全身で受け止め、明かりを煌々とともしてクルーの乗船を待っています。
ディーゼルエンジンが轟音を上げて始動し、人々の夢を乗せた流線型の城が、黒い煙を吐き出しながらゆっくりと岸を離れる姿が目に浮かびます。
南極観測船には雪が似合います。
南極観測船の威厳に圧倒され、気がつけば辺りは雪の静けさに包まれたまま。
とどろくエンジンの雄たけびも波を蹴り出すスクリューの身震いも、雪夜が描き出す幻想でした。
ふぅ。南極観測船から先はほとんど誰も歩いていないようで、雪が深く積もっています。普通のブーツを履いてきちゃったので、あまり奥には行けません。お腹も空いてきましたし、このあたりで切り上げましょう。
電車を降りると、駅前の駐輪場で多くの自転車が雪に埋もれていました。早くご主人様が帰ってくるといいね。
雪の名古屋港の写真はこちらにも。
イタリア村の雪景色はこちらから (リンク先の記事を第1回として連載記事になっています)。
蔵出し企画: おもちゃ箱の奥 2005年1月1日の記事は → 「新春特別映画「豆乳列島」」 【みぃのつぶやき】 「豆乳列島」、まだ映画化のきざしなし。おバカを書くにしても、ちゃんと政治や経済のことも勉強して、真面目と不真面目のギャップを楽しみながら茶化したい「みぃ」でありました。 ※ 過去の記事へのコメントも歓迎します。恐れ入りますが、コメントは該当する記事に書いてくださるようお願いします。過去の記事に関するコメントが今日の記事に書かれていると、他の読者が脈絡を理解できず、混乱してしまいますから。 |
ようこそお越しくださいました。
今年は全国的に寒く、雪が多いようですね。普段雪が降らない地域は、いざ雪が降ると都市機能が麻痺してしまい、みんな家に閉じこもってしまいますが、外に出てみると普段は見れない世界が広がっていて意外な発見がありますよ。私は雪が降り出したと知って、大急ぎでカメラを用意して着膨れしてスッピンのまま飛び出しました。はたから見ると色気もへったくれもなかったことでしょう (冬の屋外でも2時間近い撮影に耐えられる防寒が必要だったし……と言いわけ)。
名古屋は地下鉄が走っています。地下鉄は雪の影響を受けませんから、今度雪が降ったらぜひぜひお出かけしてみてください。
あしゃんといいます。名古屋在住です。
去年の12月の名古屋は大雪に見舞われて本当に大変でしたよね。
こちらの雪景色の写真を見ていたら、大変だったことを忘れて、
「わ~~」
と声を出してしまいました。
イタリア村の写真も素敵です!
また遊びに来ます。
> ばぶばぶさん
船の科学館も行ったことがありますよ~。残念ながら宗谷の中を見学する余裕はありませんでしたけど。南極観測船としては宗谷が初代で、ふじは2代目ですね。どちらもオレンジ色に塗られているのは、雪と氷ばかりの南極で目立つように、ということでしょうか。
南極観測船の中には寄港地のない南極で必要なものがすべて組み込まれてるわけですから、すごい機能性ですよね。私も船内を見学したことがありますが、やはり狭いですね。あちこちに頭上注意の表示がありました。印象に残っているのは本棚の柵。船が傾いても本が落ちてこないように、柵が付いてるんですね。
> EAGLEさん
港にはときどき寄港する船があって楽しいですね。南極観測船には厳しい環境を耐え抜く強さが秘められていて素敵です。残念ながら、私はここに係留されているふじの姿しか見たことがありません。しらせの姿も見てみたいです。
雪の日にふじを撮りに行けたのは運がよかったとしか言えません。雪が深くて断念しましたが、もっと深追いしたかったです。ゴム長靴で電車に乗るのは格好悪いと、見栄を張って普通のブーツを履いて出かけた私の負けでした。
> 竹取の翁さん
雪国以外で売ってるブーツはすべり止めがありませんよね。普通の革靴みたいに靴底がツルツルだったりします。普通のブーツにミニスカ履いて転んだら、軽くヤバいどころじゃありません (おじさんがミニスカ履いてたら、転ばなくてもヤバいかも)。
実は、この写真のような雪道は安全なんですよ。新雪の上は滑りません。その証拠に、私は歩道橋の狭い階段も上り下りできました。危険なのはアイスバーンや一度解けた雪が凍ったところ。特にスタッドレスタイヤでピカピカに磨き上げられた圧雪の上は危険です。
この日の名古屋港には20cmくらいの新雪が積もっていて、その中に足をズボズボ突っ込みながら歩きました。ただ、しっかり防水されていない普通のブーツだったので、雪道を出た途端に体温で溶けた雪が靴にしみてくる可能性があり、あまり雪景色を深追いできませんでした。雪道を歩くにはやっぱり雪国仕様の靴が一番ね。
コメント有難うございました。
ふじですね。
実は私は南極観測船が大好きなんです。
中学生の頃にはガーデン埠頭にしらせが来た時も写真を撮りに行ったし、このふじもここに停泊する前から写真を撮りに行ってるんですよ。
うちからではこんな雪の日に見に行くことは不可能ですが撮ってみたいな~雪の日のふじ。
最高ですね、まるで南極で活躍していた頃のよう。
良い物を見せていただきました。
有難うございます。