みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

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将来について思い悩まないための伝統的方策

2013年01月02日 22時58分47秒 | お仕事・学び
この連載の目次

(前回から続く)

人間が将来を悲観しやすい要因はいくつかあるようです。
  • 食料を調達する能力が低い。

  • 望む生活水準が高い。

  • 将来の生活環境を想像する。


悲観しがちな自己に対して人間はどのように対処してきたでしょうか。

世界中の多くの民族に酒が伝わっています。世界各地の民族が揃いも揃って酒を持っていることに驚きを禁じえません。コーヒーは眠気覚ましに使われました。南アメリカではコカの葉が常用されていました。人間がどれだけ薬物に依存してきたかが分かります。

薬物を摂取すると、脳神経が麻痺 (まひ) したり覚醒したりして、正常な思考ができなくなります。思考が停止すれば、一時的にせよ不安から逃れられます。しかし、状況が改善されるわけではなく、酔いから覚めれば以前と同じ状況に置かれます。酔いから覚めたときに不安が和らいでいれば、前向きに生きられる可能性があります。現実逃避を繰り返しながら日常をやり過ごすというのも、ひとつの方法ではあるのでしょう。

人間は、薬物に依存するほかに、天体・気象の観測や占いによって将来を予測しようとしました。「将来はこのようになる」、「何々すればよい」という結論を出し、それに沿って行動すれば、将来について思いわずらうことがなくなります。結論を出すに至った根拠は天体・気象の観測や占いであり、庶民の理解を超える領域の話でしたから、庶民は結論を疑いませんでした。これも思考停止の一形態です。宗教はこの延長上にあります。

人間の寿命は有限ですから、命が尽きるまで薬物や宗教に依存して思考を停止するという方策もあるのでしょう。それによって、将来の生活環境を想像して思い悩むことは確かになくなります。しかし、薬物や宗教による思考停止と現実逃避を私は選びたいと思いません。

(次回に続く)

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