目次
世間が新年を迎えようというときに頭の中をめぐっていた思考の跡。
- 明日があると自らを励ますその裏は
- 食料調達能力の問題
- 最低限の食料を調達できたら
- 将来について思い悩まないための伝統的方策
- 思考停止と現実逃避を選ばないなら
録画したテレビ番組「情熱大陸」を見ました。鉄拳を追った回でした。鉄拳はお笑い芸人だと思っていましたが、今ではパラパラ漫画で有名になっているようです。お笑い芸人という派手な世界に身を置いていながら、芸人としては奇抜なメイクを欠かさず、普段からマスクを着けています。きっと、心が優しくて繊細な感性の持ち主なのでしょう。
パラパラ漫画「振り子」が脚光を浴び、今ではパラパラ漫画の制作依頼も多いそうです。しかし、クライアントの意向に左右されずに本当に自分が作りたい作品はなかなか作れないと本人は言います。当然でしょう。番組の最後には、その鉄拳が自分の作りたい作品を、BGMの選定まで含めてすべて自分の意思で制作したパラパラ漫画が放送されました。
そのBGMに使われたのが、この曲。
明日がある
明日がある
明日があるさ♪
曲名は知りません。誰が歌っているかも知りません。しかし、サビの部分は何度も耳にしたことがあります。しばらく私の耳から離れそうにありません。ふとしたときにこの歌が頭によみがえり、ひとりで歌っていることがあります。サビの部分しか知らないので、歌うのはこの箇所だけですが。
この曲は大変なヒットを飛ばしました。この曲がヒットしたということは、明日への希望を持てない人がそれだけ多いということでしょう。人間は将来に対して悲観的になりやすいようです。
なぜ人間は将来を悲観するのでしょうか。
犬や猫は、明日の自分の境遇がどうなるか考えません。スズメもサルも、明日のことを心配したりはしません。
ところが、人間だけは未来を想像して浮かれたり思い悩んだりします。明るい未来を思い描いているときは、せいぜい調子に乗ったり足元をすくわれたりする程度でしょうが、悲観的になった場合は自殺や心中に至ることもあり、問題は深刻です。
なぜ人間は将来を悲観するのか。なぜ犬や猫、スズメやサルは将来を悲観しないのか。
現代人と犬や猫の違いは、自分の力で生きていけるという確固たる自信を持っているかどうかではないか。
そう思い当たりました。
動物は、何らかの方法で食料を手に入れられることを知っています。ときには飢えることもありますが、やがて必ず食料が手に入ると信じています。食料が手に入らない事態を想像して悲観することはありません。どこで水を飲むことができるか、どこで食べ物を手に入れることができるか、手に入れた食べ物をどうやって食べるか、どこで身の安全を確保できるかを見つけ出す術 (すべ) を持っています。
対して、現代人はどうでしょうか。
(次回に続く)