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大江戸情報戦

2012年02月27日 23時02分12秒 | 日常のあれこれ
図書館の中をぶらぶら歩いていたら、江戸時代の長崎を通じた外交について書かれた本が目に留まりました。

以前の長崎旅行が懐かしく思い出されます。数えてみれば、長崎を訪ねたのはもう5年も前のこと。長崎滞在の最終日に、復元された出島 (出島和蘭商館跡) を訪ねました。カピタン部屋の鮮やかな青緑色の手すりを思い出します。

そんな懐かしさも手伝って、江戸期の日本外交についての本を立て続けに読みました。

●開かれた鎖国 ― 長崎出島の人・物・情報 (片桐 一男 著、講談社現代新書)
●オランダ風説書 ― 「鎖国」日本に語られた「世界」 (松方 冬子 著、中公新書)
●幕末の小笠原 ― 欧米の捕鯨船で栄えた緑の島 (田中 弘之 著、中公新書)
●漂流民とロシア ― 北の黒船に揺れた幕末日本 (木崎 良平 著、中公新書)

時は17世紀。アジアで勢力を拡大し続けるヨーロッパ諸国。江戸幕府は、ヨーロッパ諸国の日本進出を警戒してキリスト教を禁じる。その禁教に乗じて、オランダは他のヨーロッパ諸国を締め出し、日本との貿易を独占しようと画策する。幕府がオランダを利用して海外の情報を入手しようとすれば、オランダはその情報を都合よく操作して利益の拡大をもくろむ。一方で幕府は、中国や琉球 (りゅうきゅう)、アジア各地の日本人街から入る情報をちらつかせてオランダを牽制 (けんせい) する。19世紀に入ると、北からはロシア、東からはアメリカが圧力をかけてくる。

国家規模の緊迫した情報戦がリアルに描き出されます。「歴史」という言葉でくくると埋没してしまう個人が、現場で生々しいドラマを展開しています。

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