●「軍艦島入門」(黒沢 永紀 著、実業之日本社)
長崎県 端島炭鉱、通称「軍艦島」の解説書であり、写真集です。
廃墟と化した現在の写真だけでなく、にぎわう往時の写真や建物の間取り図も豊富に掲載され、どんな暮らしだったか想像するのが楽しい。風や波をさえぎるものが周囲に何もない孤島に数千人がひしめき合うがゆえの独特の工夫も多く、苦労がしのばれますが、町には人情もあふれていたようです。
現在では軍艦島に上陸して見学することもできるようですが、上陸してもガイドについて歩くことができるだけ。廃墟の中を歩き回ることはできず、建物は外観を遠くから見学するしかありません。町や建物の中の様子を知るには、やはりこのような写真集を開くのが一番。