みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

動物園での肩車

2012年06月01日 22時26分48秒 | 小さな幸せ
まだ小さかった頃のことです。屋根が緑色で壁が白いマンションで暮らしていましたから、3歳か4歳の頃です。幼稚園に通っていたかも知れません。

その頃、父に上野動物園に連れて行ってもらいました。

父とふたり。

父に手を引かれて、動物園の中を歩きました。

どんな動物を見たかは、よく覚えていません。

私がバンビと名づけた鹿のぬいぐるみも、そのときに買ってもらったのか別の日に買ってもらったのか、よく覚えていません。

パンダ舎の暗いトンネルに入ったものの、葉っぱの山があるだけで、ガラスの向こう側にパンダは見えず、父に「寝てるんだ」と言われたのも、そのときかどうかよく覚えていません。

そんなあいまいな動物園の記憶の中で、ひときわ鮮明な思い出があります。

肩車。

あのとき、父が肩車をしてくれました。

肩に乗った私の両手を父がつかんで、父の頭の両側にしっかりと付けました。頭を両手でつかんで体を支えるように、ということでした。

固い頭。

手に触れる髪の毛の感触。

目の前に見える黒い物体が面白くて、髪の毛をぐしゃぐしゃといじりました。

父に怒られて、肩車から下ろされてしまいました。

私は駄々をこねました。

「頭ぐしゃぐしゃにするなら、肩車してやらないよ」

私は駄々をこね続けました。もう一度頭にいたずらしたかったのです。

「頭ぐしゃぐしゃにしない? したら下ろすよ」

私は「しない、しない」と答えて、また肩車してもらいました。狙いはいたずらですから、もちろん髪の毛をぐしゃぐしゃにして遊びます。

また父に怒られて、下ろされてしまいました。

二度と肩車はしてもらえませんでした。

父さん、ごめんね。

それと、肩車してくれて、ありがとう。嬉しかったよ。

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