世界は広い

セミが鳴いています。

この夏も、たくさんのセミが羽化して鳴いています。

6月、びわの葉の裏には、セミの抜け殻がしっかりとしがみついていました。1枚の葉の裏に3匹も。

見つけたのは、実家でびわの実を収穫したとき。収穫は6月中旬でしたから、おそらく去年羽化したセミの抜け殻でしょう。1枚の葉で3匹のセミが羽化したとは、セミにとってずいぶん居心地のいい葉だったのでしょう。

セミの抜け殻があったということは、土の中にセミの幼虫がいたということ。実家の狭い庭にも多くのセミが住んでいたわけです。実家の周りには家々がひしめき合い、道はアスファルトで固められています。セミが命をつむいでいたのは、かろうじて島のように取り残された土の中です。こんなところでセミが育ったなんて。

自分の知らないところにも世界は広がっていました。私が見聞きして知っている世界は想像以上に狭いようです。