急に暑くなりました。雨で涼しい時期がしばらく続いた後に晴れて暑い日が訪れると、熱中症を起こしやすくなります。
熱中症は、体の中と外の「あつさ」によって引き起こされる様々な体の不調[1]を指します。
かくいう私も熱中症予備軍。それほど体力があるわけでもないので、夏は連日バテとの戦いです。毎年夏が終わるまで体力が持つか、瀬戸際の勝負を繰り広げています。
そんな具合ですから、夏になるとバテないように注意を払います。暑いと大量の汗をかきますから、夏には意識して水分を補給するようにしています。
最近では、汗をかくときには水分補給が重要だと訴えられるようになりましたが、昔は、運動中に水分をとらずに耐えて耐えて耐えるのが体を鍛えることになると考えられていました。
思えば小学生の頃。夏休みが終わって二学期に入ると、運動会の練習が待っていました。運動会の練習には主に体育の時間が当てられましたが、短いときで1時間から2時間練習し、授業が終わった後に水分を補給していたと記憶しています。9月とはいえ、日中の日差しはまだ強く、グラウンドの照り返しはきついものでした。
実際には授業1時間が50分前後に相当するので、文字通り炎天下で1時間も2時間も運動するわけではありませんが、かなり長い時間であることは確かです。
思い返してみると恐ろしい時代です。炎天下、水分をとらずに長時間運動していて、よく倒れなかったものです。
時は下って現代。小学生の頃よりもエアコンや自動車の排気ガスによる熱の排出が増え、都市部の温度が周辺部より上昇するヒートアイランド現象も進んでいます。
都会の住宅地は本当に暑い。部屋でじっとしているだけでも汗が噴き出してきます。お出かけ前はもう大変。鏡に向かってメイクを始めたはいいものの、メイク中に汗が吹き出してメイクが崩れ、それを直している間にまた汗が噴き出してきてしまい、一体いつになったらメイクが終わることやら。
そうやって毎日大量の汗をかいています。汗をかくと水分と同時に塩分も失われるので、水分を補給するときには塩分もとる必要があります。ここで塩分をとらないと、手足や腹筋などに痛みを伴う痙攣 (けいれん) を起こす危険性もあります[1]。
このとき、推奨される塩分濃度は0.1~0.2%程度[2]で、さらに5%程度の糖分を含んでいるとよいとされています[2]。糖分を入れると、水分が吸収されやすくなるほか、消耗したエネルギーを補給することもできます。
ところで、0.1~0.2%の塩ってどれくらいの量なんでしょう? こまめに水分を補給するためにも、適切な塩分の量を手軽に量れると便利です。
一番簡単なのは、キッチンにある塩を指でつまんでなめ、その後に水やお茶を飲むことです。このひとつまみは何gに相当するのでしょうか。
塩を指でつまんだ量には「塩ひとつまみ」と「塩少々」の2つがあります。塩ひとつまみは、塩を親指、人差し指、中指の3本の指先でつまんだ量で、だいたい小さじ1/4~1/5に相当します[3,4,5,6]。塩少々は、親指と人差し指の先でつまんだ量で、だいたい小さじ1/8に相当します[3,4]。
この塩ひとつまみと塩少々の量を、いくつかの資料で調べてみました。
「healthクリック: 塩の量を知ろう[6]」に記載されている塩の量が少ないのが目に留まります。同ページでは、塩ひとつまみが約0.3g、塩1gは小さじ1/5とされていますが、この量は矛盾しています。
まず、最初に書かれている塩ひとつまみが約0.3gであるとします。塩ひとつまみは小さじ1/4~1/5に相当し、塩少々は小さじ1/8に相当するので[3,4,5,6]、
塩少々は約0.15~0.2gに相当することが分かります。
一方、「healthクリック: 塩の量を知ろう[6]」には塩1gは小さじ1/5に相当するとも書かれています。この量は他の資料の数値とも符合しますが、この量に基づいて塩少々の量を計算すると、
先ほど計算した値 (式1および2) の3~4倍の値ですが、他の資料で説明されている値 (約0.6g) と符合する数値が得られます。
う~ん、この資料は1ページの中で自己矛盾を起こしており、信憑性が怪しいです。
こうなると実験してみたくなります。だんだん夏休みの自由研究のような気分になってきました。
実験方法1
ごく微量の塩の重さを正確に量れるはかりは入手しにくいでしょう。そのときは代わりの方法を採用します。
実験方法2
しかし、あいにく数グラム程度の微妙な重さが量れるはかりは我が家にありません。ここでは、塩ひとつまみが約1g、塩少々が約0.6gとして話を進めます。
汗をかいたときに失われた水分と電解質を補給するために推奨される塩分濃度は0.1~0.2%程度[2]です。この塩分濃度は、コップ1杯 (200ml) の水に対して塩0.2~0.4gの量に相当します。これは、塩少々 (0.6g) の半分の量 (0.3g) です。
つまり、水コップ1杯に対して、親指と人差し指の先でつまんだ量の半分を目安に塩を摂取すればよいということになります。ただし、塩水はあまりおいしくはなく、飲みにくいものです。必ずしも塩水を飲まなくても、先に塩をなめてから水を飲んでも電解質を補給する効果があるとのことなので、先に塩をなめると楽でしょう。
また、「熱中症のホームページ: 水分補給と体調管理[1]」では、「一度に多量に水分を摂ると、吸収が悪くなり胃にもたれます。1回に200ml以下として、時間をかけて飲むようにする」とよく、「飲み物の種類は何でも構わない」とされています。
熱中症を予防するための水分補給についてまとめると、以下のようになります。
以上、みぃの夏休みの自由研究でした。
参照資料:
[1] 熱中症のホームページ
[2] 日本体育協会: スポーツ医・科学「熱中症を防ごう」
[3] レタスクラブネット: 料理のキホン
[4] 1から始める料理の基本: 用語辞典「塩ひとつまみ」
[5] NHK きょうの料理: 料理のきほん ミニ事典
[6] healthクリック: 塩の量を知ろう
※ 番号は本文中の注記に対応しています。
熱中症は、体の中と外の「あつさ」によって引き起こされる様々な体の不調[1]を指します。
かくいう私も熱中症予備軍。それほど体力があるわけでもないので、夏は連日バテとの戦いです。毎年夏が終わるまで体力が持つか、瀬戸際の勝負を繰り広げています。
そんな具合ですから、夏になるとバテないように注意を払います。暑いと大量の汗をかきますから、夏には意識して水分を補給するようにしています。
最近では、汗をかくときには水分補給が重要だと訴えられるようになりましたが、昔は、運動中に水分をとらずに耐えて耐えて耐えるのが体を鍛えることになると考えられていました。
思えば小学生の頃。夏休みが終わって二学期に入ると、運動会の練習が待っていました。運動会の練習には主に体育の時間が当てられましたが、短いときで1時間から2時間練習し、授業が終わった後に水分を補給していたと記憶しています。9月とはいえ、日中の日差しはまだ強く、グラウンドの照り返しはきついものでした。
実際には授業1時間が50分前後に相当するので、文字通り炎天下で1時間も2時間も運動するわけではありませんが、かなり長い時間であることは確かです。
思い返してみると恐ろしい時代です。炎天下、水分をとらずに長時間運動していて、よく倒れなかったものです。
時は下って現代。小学生の頃よりもエアコンや自動車の排気ガスによる熱の排出が増え、都市部の温度が周辺部より上昇するヒートアイランド現象も進んでいます。
都会の住宅地は本当に暑い。部屋でじっとしているだけでも汗が噴き出してきます。お出かけ前はもう大変。鏡に向かってメイクを始めたはいいものの、メイク中に汗が吹き出してメイクが崩れ、それを直している間にまた汗が噴き出してきてしまい、一体いつになったらメイクが終わることやら。
そうやって毎日大量の汗をかいています。汗をかくと水分と同時に塩分も失われるので、水分を補給するときには塩分もとる必要があります。ここで塩分をとらないと、手足や腹筋などに痛みを伴う痙攣 (けいれん) を起こす危険性もあります[1]。
このとき、推奨される塩分濃度は0.1~0.2%程度[2]で、さらに5%程度の糖分を含んでいるとよいとされています[2]。糖分を入れると、水分が吸収されやすくなるほか、消耗したエネルギーを補給することもできます。
塩の計量
ところで、0.1~0.2%の塩ってどれくらいの量なんでしょう? こまめに水分を補給するためにも、適切な塩分の量を手軽に量れると便利です。
一番簡単なのは、キッチンにある塩を指でつまんでなめ、その後に水やお茶を飲むことです。このひとつまみは何gに相当するのでしょうか。
塩を指でつまんだ量には「塩ひとつまみ」と「塩少々」の2つがあります。塩ひとつまみは、塩を親指、人差し指、中指の3本の指先でつまんだ量で、だいたい小さじ1/4~1/5に相当します[3,4,5,6]。塩少々は、親指と人差し指の先でつまんだ量で、だいたい小さじ1/8に相当します[3,4]。
この塩ひとつまみと塩少々の量を、いくつかの資料で調べてみました。
出典 | 塩ひとつまみ | 塩少々 |
---|---|---|
レタスクラブネット: 料理のキホン[3] | 約1g | 約0.6g |
NHK きょうの料理: 料理のきほん ミニ事典[5] | 粗塩の場合は約1g。精製塩の場合は少なめになる | 約0.5~0.6g* |
healthクリック: 塩の量を知ろう[6] | 約0.3g | 約0.15~0.2g* |
注:
* 資料に塩少々の場合の量は記載されていないが、塩ひとつまみが小さじ1/4~1/5に相当し、塩少々が小さじ1/8に相当するとして、塩ひとつまみの量から塩少々の量を算出した。
「healthクリック: 塩の量を知ろう[6]」に記載されている塩の量が少ないのが目に留まります。同ページでは、塩ひとつまみが約0.3g、塩1gは小さじ1/5とされていますが、この量は矛盾しています。
まず、最初に書かれている塩ひとつまみが約0.3gであるとします。塩ひとつまみは小さじ1/4~1/5に相当し、塩少々は小さじ1/8に相当するので[3,4,5,6]、
0.3g / (1/4) / 8 = 0.15g ...... (式1)
0.3g / (1/5) / 8 = 0.19g ...... (式2)
塩少々は約0.15~0.2gに相当することが分かります。
一方、「healthクリック: 塩の量を知ろう[6]」には塩1gは小さじ1/5に相当するとも書かれています。この量は他の資料の数値とも符合しますが、この量に基づいて塩少々の量を計算すると、
1g / (1/5) / 8 = 0.62g ...... (式3)
先ほど計算した値 (式1および2) の3~4倍の値ですが、他の資料で説明されている値 (約0.6g) と符合する数値が得られます。
う~ん、この資料は1ページの中で自己矛盾を起こしており、信憑性が怪しいです。
こうなると実験してみたくなります。だんだん夏休みの自由研究のような気分になってきました。
実験方法1
- 最大目盛2g程度のはかりを用意します。
- 塩ひとつまみの重さを測定します。
- 上記の測定を数回繰り返して平均をとり、塩ひとつまみの量を算出します。
- 塩少々についても同様に測定します。
ごく微量の塩の重さを正確に量れるはかりは入手しにくいでしょう。そのときは代わりの方法を採用します。
実験方法2
- 最大目盛10g程度のはかりを用意します。
- 塩ひとつまみを10回繰り返し、合わせて何gになるかを測定します。
- 上記の測定を数回繰り返して平均をとり、塩ひとつまみの量を算出します。
- 塩少々についても同様に測定します。
しかし、あいにく数グラム程度の微妙な重さが量れるはかりは我が家にありません。ここでは、塩ひとつまみが約1g、塩少々が約0.6gとして話を進めます。
摂取すべき塩の量
汗をかいたときに失われた水分と電解質を補給するために推奨される塩分濃度は0.1~0.2%程度[2]です。この塩分濃度は、コップ1杯 (200ml) の水に対して塩0.2~0.4gの量に相当します。これは、塩少々 (0.6g) の半分の量 (0.3g) です。
つまり、水コップ1杯に対して、親指と人差し指の先でつまんだ量の半分を目安に塩を摂取すればよいということになります。ただし、塩水はあまりおいしくはなく、飲みにくいものです。必ずしも塩水を飲まなくても、先に塩をなめてから水を飲んでも電解質を補給する効果があるとのことなので、先に塩をなめると楽でしょう。
また、「熱中症のホームページ: 水分補給と体調管理[1]」では、「一度に多量に水分を摂ると、吸収が悪くなり胃にもたれます。1回に200ml以下として、時間をかけて飲むようにする」とよく、「飲み物の種類は何でも構わない」とされています。
まとめ
熱中症を予防するための水分補給についてまとめると、以下のようになります。
- 親指と人差し指の先でつまんだ量の半分を目安に、塩をなめる。
- 200ml程度の飲料を時間をかけて飲む。
- 飲料の種類は問わない。
以上、みぃの夏休みの自由研究でした。
参照資料:
[1] 熱中症のホームページ
[2] 日本体育協会: スポーツ医・科学「熱中症を防ごう」
[3] レタスクラブネット: 料理のキホン
[4] 1から始める料理の基本: 用語辞典「塩ひとつまみ」
[5] NHK きょうの料理: 料理のきほん ミニ事典
[6] healthクリック: 塩の量を知ろう
※ 番号は本文中の注記に対応しています。
蔵出し企画: おもちゃ箱の奥 2005年7月27日の記事は → 「雨に濡れた若葉」、「びわの実2005目次」 【みぃのつぶやき】 若葉は、日差しを受けて輝いていても、雨に濡れていても趣のある色を見せてくれます。 ※ 過去の記事へのコメントも歓迎します。恐れ入りますが、コメントは該当する記事に書いてくださるようお願いします。過去の記事に関するコメントが今日の記事に書かれていると、他の読者が脈絡を理解できず、混乱してしまいますから。 |
水分補給って、頭では分かっていても、つい忘れがち。
私も1日2リットルの水を飲むよう心がけていますが、喉が渇いて無くても飲んでないと、2リットルは摂取できません。
常日頃の心がけですね。
すっごく参考になりました!
ちなみに私の場合、夏場はやかん1杯のお茶のほか、牛乳なども飲むので、特に意識しなくても1日2リットル以上飲んでる気がします。
なるべく量を減らす方法ありませんか?
水ばっかり飲んで仕事になりません・・
1. 水を飲むこと自体を仕事にする。
2. 仕事をやめて無職になる。
3. 南極で暮らす。
こだわりが強すぎるとストレスがたまりますよ。