D70s with Tokina AT-X 107 DX Fisheye (10-17mm F3.5-4.5, Serial # 7812862), Manual exposure (F=3.5, SS=1/10s), ISO200, WB=Sunny (+0), f=10mm (35mm-equivalent: 15mm)
幸運の女性像。白い肌がきれい。触れると幸運が訪れるとか。
魚眼レンズって広いわぁ。
今回購入したレンズ (Tokina AT-X 107 DX Fisheye) にはいわくがあります。
購入当初に届いたレンズでは、きれいに撮影できませんでした。
三脚を使っているのに、何回撮影しても、ぶれた写真しか撮れません。ぶれの程度は著しく、カメラの液晶画面で拡大表示させるだけで ぶれていると分かるほどです。パソコンの大画面で確認しなくても分かるぶれというのは、相当ひどいです。
それでも、せっかくイタリア村まで来たのですから何とか撮りたいです。
あれこれ操作しているうちに、絞りが動作すると像がずれることが分かりました。
カメラのプレビューボタンを押して絞りを動作させると、ファインダーに見えている像全体が少し右に平行移動します。プレビューボタンを放すと、像も元の位置に戻ります。何度やってみても同じです。この現象は、絞りが開放の場合でも絞った場合でも発生します。
レンズをSIGMA 17-70mm F2.8-4.5 DC Macroに付け替えてプレビューボタンを押したり放したりしてみましたが、ファインダー像がずれる現象は起こりませんでした。
試しに、絞りとシャッタースピードを変えて何枚か撮ってみました。シャッターボタンを押し込むときにカメラが揺れないように、レリーズケーブルを使用しています。画像は、写真の一部を切り出し、少し縮小したものです。
F3.5、1/10秒
F11、1/1.3秒
F18、2.0秒
シャッタースピードが遅くなると、シャッタースピードが速い場合の像とまったく同じ位置にうっすらと像が現れ、さらに多重露光のように右下にも像が現れて、全体としてブレた写真になっています。
どうやら、シャッターを切って絞りが動作すると、それに伴って像がずれ、ずれる前後の像が2重に写る結果、ぶれた写真が撮れるようです。
同時に、意外なことも判明しました。露光中も絞りが動いているようです。像が2重に写っているということは、絞りが設定値まで完全に絞り込まれる前に露光が開始しているか、露光が終了する前に絞りが戻されています。この動作が一眼レフカメラの標準的動作かどうかは分かりませんが。
意外な発見はともかく、この試し撮りから、速いシャッターを切ることで、ぶれが目立たなくなることが分かりました。それでも、絞りが動作すると (開放であっても) 像がずれることに変わりはなく、あくまで「ぶれが目立たない」だけです。
次善策をとれるとはいえ、困りました。夜景を撮るときにはスローシャッターも切りたいです。このレンズはF8程度に絞ると点光源から華やかな光条が出るのですが、あきらめるか数でカバーするしかなさそうです。
もうひとつ、フォーカスにも気になる点がありました。
D70sでは、オートフォーカスでピントが合ったときに、ファインダー内の合焦マークが点灯します。この魚眼レンズを装着した場合でも同じです。
ところが、オートフォーカスを作動させて遠くの景色にピントを合わせ、ファインダー内の合焦マークが点灯していることを確認した後にレンズの距離指標を見てみると、無限遠 (∞) より少し先で止まっています。通常、オートフォーカスレンズのフォーカスリングは∞より少し先まで回るようになっていますが、果たして突き当たっていいものか。
ただし、ピントが合わないわけではありません。無限遠でフォーカスリングが突き当たるのは気持ち悪いですが。
やれやれ、えらいことになったもんだ。
そんなこんなで、速いシャッターを切るように心がけてのテスト撮影と相成りました。
テスト撮影後に販売店に連絡したところ、不良品として修理扱いで受け付けられました。届いて2日後に返送ってのもどうなの、って感じです。絞り機構とフォーカス機構の異常なのでかなりの重修理だろうと覚悟していたら、交換での対応になりました。宅配便での配送日数も含めて9日間のお別れでした。
新しいレンズが届いた後、さっそく撮り直してきました。しかし、相変わらず絞りが動作すると像がずれます。念のため、SIGMA 17-70mmに付け替えてプレビューボタンを押したり放したりしてみましたが、ファインダー像がずれる現象は起こらず、シャープな写真が撮れます。
2本目のレンズでもファインダー像がずれるのであれば、カメラボディも確認してみましょうか。今度ニコンのサービスセンターでチェックしてもらいましょう。
読者の中にTokina AT-X 107 DX Fisheyeをお持ちの方がいらっしゃいましたら、絞りが動作するときに像がずれるかどうか情報をいただけると助かります。
今回の症状は以下のとおりです。
- カメラのプレビューボタンを押して絞りを動作させると、ファインダーに見えている像全体が少し右にずれる。プレビューボタンを放すと、像も元の位置に戻る。
- 像のずれは、絞りが開放でも絞った場合でも発生する。
- ファインダー像は、周辺部だけでなく、中心部も含めて全体が平行移動する。
(12月11日追記) 続報があります。ニコンサービスセンターで確認してもらったところ、カメラボディに問題はありませんでした。続いて、レンズをケンコーの出張所に持ち込み、テストしてきました。詳細は12月11日の記事を参照してください。
今回の記事から掲載する写真の中には、以下の写真が混在しています。
- 2本目のレンズ (シリアル番号7822278) で撮影した写真
- 1本目のレンズ (シリアル番号7812862) で上記の次善策 (速いシャッターを切る) を講じて撮影した写真
- 1本目のレンズ (シリアル番号7812862) で奇跡的にぶれずに撮れた写真
ぶれているかどうかは、写真をパソコンに取り込んでピクセル等倍表示させて判断しました。鑑賞に問題ない程度のごく小さなぶれ (1ピクセル程度) であれば許容して掲載しています。なお、各レンズで撮影した写真には、シリアル番号を併記して区別しています。
思い返せば、今年は何かとよく壊れる年でした。
現在、魚眼レンズかカメラ本体が壊れている可能性があります。それ以前は、新しく買ったカメラバッグが壊れ、折り畳み傘の骨が折れ (島原で強風にあおられて1本ダメになった上に、新しい傘が彦根で折れました)、プリンタが壊れました。
おっと、まだ2007年は終わっていません。あと23日残っています。この先、何が壊れるのでしょうか。
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