D70s with Tokina AT-X 107 DX Fisheye (10-17mm F3.5-4.5, Serial # 7822278), Aperture priority AE (F=4.0, SS=1/25s), 0.0EV (Matrix metering), ISO250, WB=Cloudy (+0), f=14mm (35mm-equivalent: 21mm)
境界線を張るだけでなく、その内側まで埋め尽くすバリケード。小屋がけ禁止の看板。
ホームレスの人には悪いのですが、ごちゃごちゃと ひしめき合うバリケードは、色も形も配置も興味深い。写真に撮りたくて うずうずします。写真に撮るだけでなく、中に入っても巨大迷路みたいで面白い。不謹慎だけど、面白い。
D70s with Tokina AT-X 107 DX Fisheye (10-17mm F3.5-4.5, Serial # 7822278), Aperture priority AE (F=4.0, SS=1/25s), 0.0EV (Matrix metering), ISO250, WB=Cloudy (+0), f=14mm (35mm-equivalent: 21mm)
卵のように優しい色の落ち葉が舞う中に、小屋がけ禁止のバリケード。
イチョウの木は、何千年、何万年という進化をたどる中で、数え切れないほどの葉を落としてきたことでしょう。
そんな悠久の時の流れに沿って、今日も黄金色の葉を落とすイチョウ。その下で対立する人間。
D70s with Tokina AT-X 107 DX Fisheye (10-17mm F3.5-4.5, Serial # 7822278), Aperture priority AE (F=4.0, SS=1/30s), 0.0EV (Matrix metering), ISO200, WB=Cloudy (+0), f=14mm (35mm-equivalent: 21mm)
イチョウの落ち葉は、バリケードの中にも構わず侵入します。
「あそこは何か造るらしいからね」
ホームレスのおっちゃんの言葉を思い出します。
「おれたちも、そのうちここを出て行かないかん」
この公園では、以前から一部市民や行政とホームレスが対立してきました。
「民間のアパートに入ることになっとる」
家賃は払えるのでしょうか。家賃を払えるくらいなら、公園に小屋を構えたりはしないはずです。遅かれ早かれ野宿生活に戻ることになるでしょう。
収入が絶えると家賃を払えなくなる。家賃を払えないと借家から追い出される。借家から追い出されると住所を失う。住所を失うと、安定した仕事に就けない。安定した仕事に就けないと、ますます収入が少なくなる。収入が少ないと、病気になっても病院に行けない。栄養のある食事をとれない。寒い屋外で野宿していれば病気も治りにくい。ますます仕事に出られなくなり、ますます収入が細くなる。
この繰り返し。誰だって、いつこの悪循環に陥るか分かりません。人が社会の枠組みからこぼれ落ちないような仕組みが必要です。