みぃちゃんの頭の中はおもちゃ箱

略してみちゃばこ。泣いたり笑ったり

見守られて

2008年08月26日 22時57分40秒 | 性同一性障害 (GID)
白いメイクポーチ。コロンとした形がかわいいでしょ。形がかわいいだけでなく、手のひらに載せてもちょうどいい大きさですし、ファスナーが大きく開いて中の見通しがよく、化粧品の出し入れも楽と、実用面でも二重丸です。

いつも中に入れているのは、パウダーファンデ、パフ、コンシーラー、リップクリーム、リップブラシ、リップカラー、グロス、チーク、小型ミラー。ほかに、絆創膏 (ばんそうこう) や胃腸薬も標準装備しています。日焼け止めやアイライナーが仲間入りすることも。

このポーチは、この夏にメイクの楽しみを思い出して以来、活躍しています。春までは日焼け止めだけのスッピンでお出かけしており、もっと小さなポーチを使っていました。さらにその前は、メイク用品をたくさん持ち歩いていたため、別の大きめのポーチをメインとして使い、この白いポーチはサブとして短時間のお出かけに使っていました。

このポーチは、女性としての生活を始めた、本当に初期に母からもらったものです。そのとき母は、ポーラでもらった物だと言っていました。販促品のようですが、そんなことより、女性として生きていこうとする私を応援してくれる気持ちが嬉しくて、大切にしていました。

そんな思い出の詰まったポーチですが……

cosm005A.jpg: メイクポーチが傷んでる

ずいぶん傷みが目立ってきました。たぶん素材が合成皮革なのでしょう。合皮が時間とともに傷むのは仕方ありません。

母からもらった思い出の品物で名残惜しいのですが、現役を引退する時期が近づいているようです。

母からこのポーチをもらって以来、いろいろな時を過ごしてきました。

髪が伸びるのが待ち遠しかった時期。
女性として過ごせるのが嬉しくて、嬉々として外出していた時期。
女性として会社に就職し、毎日通勤電車に揺られていた時期。
早く女性ホルモンを処方して欲しくて、頻繁にジェンダークリニックに通っていた時期。
度重なるドクターハラスメントに耐え切れず、母に抱きついて泣いた日。
世間の偏見に何度も何度も傷つけられた時期。
人と接するのが怖くて怖くて、引きこもっていた時期。
自分の人生を見つめ直した時期。
そして、新しい一歩を踏み出すまでの助走の時期。

このポーチは、そんな私を、あるときは手元で、あるときは戸棚の中で見守ってきました。

私が強く生きることを決意して人生の扉を開いたとき、このポーチがほころび始めました。まるで我が子を送り出して力尽きたかのように。

さよならするのは、さみしいな。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。