日本のゼロ金利、誰の為、何の為？

　ゼロ金利政策が取られて何年になるだろう？　最初の頃は、景気が良くなれば金利は上がる。　デフレが終われば、金利は戻ると誰もが思っていました。

　この政策の本音に誰も注目しなかった。　建前は景気が悪いから低い金利でないと経済が立ち直れない。　低い金利でないと融資が増えずに土地や建物が売れない。　

　経済を支える為の一時的な対策として悪くない対応だと考える人ばかりでした。　ところが、本音は違っていたのです。　大量の資金を集めた金融機関、即ち銀行や郵便局が手持ちの資金の利息を払うのに嫌気が指していたのです。

　最高時には７％近い高い利息を払って資金集めをして来た彼らは、如何に預かった預金の利息を低くして、利鞘を多く稼ぐ手立てとしてゼロ金利の政策を選択させたのです。

　現実に、平均的な利息として３％と計算しても約５０兆円からの利息の支払いを逃れる事が出来るのです。　では、貸す側の金利はと言えば、低利で貸すケースも有りますが限られます。

　融資の中心をクレジットや短期金融に切り替えれば、平均でも６％前後の金利は取れるのです。　高い金利の時代の利鞘より、ゼロ金利の時代の利鞘の方が大きいのです。

　低利の融資は最大限、貸し渋り、より高利子融資に向わせる金融機関の悪巧みが続いているのが現状です。　主に年寄りの５０兆円近い金融資産の利息を奪っておいて、消費が伸びないのは当たり前。

　その上に、物価や雇用の数字も巧みに操作して庶民の目を眩ませる現代社会です。　日本の場合は、ゼロ金利は明らかに金融機関の為に在るものです。　預かった多額の資金の利息を払うのを避ける為の低金利です。

　益々、ズル賢く巧みにカラクリを築き上げる日本の支配層が、国民を馬鹿化して経済麻薬に浸っているのが現実なのです！　目先の楽や利益ばかりに捉われている軽薄な連中では、浅はかさに気付けません。

　健全な経済のシステムが壊れていては、健全な成長は出来ません。　愚かさに気付けない限り日本の衰退は避けられません。

　この傾向は、アメリカも似ています。　最近では、多くの国が日本に倣おうとしています。　実質経済より金融が優先される逆転現象です。　これは金持ちのエゴなのです！！