「身を粉にして…」最低賃金レベルの給料に耐える非正規労働者
2020/12/26 06:00
(西日本新聞)
ぱさついた髪が波打つ。「少し天然パーマなんで。面接前に切らないと」。今月、転職を決意した匠(たくみ)さん(44)=仮名、福岡県久留米市=は頭をかいた。面接は身だしなみが大事だけど、理髪店には行かない。節約のため自分で切る。19歳からずっと。長く最低賃金レベルの給料で働き、そうしてきた。
今の職場は佐賀県にある食品工場。今春から勤め、室温8〜12度の中で味付けのライン作業につく。次々と容器が流れてくるためトイレに行けず、水分は取れない。なのに塩辛い品の味見が多く、具合が悪くなる。