2022年11月25日 19時06分物価高騰
「ボーナスは受け取れません」
「時給を上げてもらえるのはありがたいのですが…」
長引くコロナ禍に物価高。にもかかわらず、年収を思うように上げられない。
キーワードは“働き損”でした。
(ネットワーク報道部 野田麻里子 高杉北斗 杉本宙矢)
もう少し働きたいけれど…
「いくら頑張ってもパートだし“上限”は決まっているし、自惚れではなくなんて言うか自分の能力をもて余している感じがして…」
千葉県に住む39歳の女性はサラリーマンの夫と中学生と小学生の子どもの4人暮らしです。
家計の足しにしようと、3年前からパートタイムで飲食店に勤め、今では社員のサポート的な役割も担っているといいます。仕事ぶりを評価され、現在1100円の時給を上げるという話も。
そこに、立ちふさがったのは「年収の壁」でした。
女性はこれまで夫の扶養内で世帯収入をできる限り減らさないように、100万円を目安に、勤務時間を調整して働いていました。
扶養を外れて働く場合、税金や社会保険の費用が引かれるため、今の倍以上の時間働かざるを得なくなるので、2人の子どもの世話を考えると難しいと考えています。女性
「時給を上げてもらえるのはありがたかったですが、子どものこともありますし、私の勤務時間が減るとお店やほかの従業員の負担が増えてしまう。仕事は好きですが、自分がやっていることに対して収入が見合っていないような、むなしい気持ちになりました」
ボーナスも「受け取れません」
「コロナ禍で一生懸命働いてくれたスタッフたちにボーナスで報いようとしてもできないんです」
そう話すのは神戸市にある病院の副院長です。
新型コロナの感染拡大で病院のスタッフたちには急きょ勤務に入ってもらったり、長時間勤務をお願いしたりしていたそうです。
その頑張りにせめて数万円のボーナスで報いようと提案したしたとき、“壁”が立ちはだかりました。スタッフから「“上限”があるので受け取れません」と言われたのです。
物価高騰で生活が苦しいという悲痛な声も聞かれ、ジレンマがあるといいます。
以下略ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー