きょう、広島原爆の日 「黙とう」の正しい方法は? 由来や注意点、専門家に聞く
2021/08/06 06:10
(オトナンサー)
8月6日は広島の「原爆の日」です。東京五輪期間中でもあり、「8月6日に競技会場などで黙とうするよう、選手たちに呼び掛けてほしい」と広島市が国際オリンピック委員会(IOC)へ要請したのに対し、「IOCは対応しない方針」という報道がありました。IOCのバッハ会長は自身の強い希望で7月16日に広島平和記念公園を訪れただけに「黙とうを呼び掛ける気持ちになってもらえず、残念」との声も出ています。
3日後の8月9日は長崎の「原爆の日」、そして、15日は「終戦記念日」と戦争の犠牲者を追悼する日が続きます。戦争以外にも災害や事件、事故の犠牲者を追悼する際に行われる「黙とう」ですが、いつごろ始まり、どのように行うべきなのでしょうか。和文化研究家で日本礼法教授の齊木由香さんに聞きました。
中国では1200年前から?
Q.黙とうの起源や広がりを教えてください。
齊木さん「中国では唐代の詩の中に『潜心黙祷若有応』という記述があり、『黙祷(もくとう)』という表現がみられます。このことから、中国の一部では、1200年前には黙とうという概念があったと考えられます。日本では1912年、明治天皇崩御に伴う大喪の礼で行われたのが始まりといわれています。明治天皇に関する記録の中に『市民一斉に黙とうし』との記述が残されています。