まん延防止8県追加 首相「経験ない感染拡大」 全国に宣言考えず
2021/08/05 18:08
(毎日新聞)
政府は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部を首相官邸で開き、福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の計8県に「まん延防止等重点措置」を新たに適用することを決定した。期間は8〜31日。一方、対策本部に先立ち開催された基本的対処方針分科会では、複数の専門家から全国を対象とする緊急事態宣言の発令を求める意見が出た。
菅義偉首相は対策本部で「首都圏をはじめ多くの地域で、これまでに経験したことのない感染拡大が進んでいる」と指摘。国民に注意を呼び掛けた。
まん延防止措置は現在、北海道、京都、福岡など5道府県に適用されており、対象は13道府県に拡大する。対象地域では飲食店に午後8時までの営業時間短縮や酒類提供の原則停止を求める。東京、大阪など6都府県には緊急事態宣言が発令されている。いずれも期限は31日。
分科会の尾身茂会長は5日の会合後、記者団に「全国に緊急事態宣言を出した方がいいのでは、との意見があった」と紹介。感染爆発に歯止めがかからなかった場合は「ロックダウン(都市封鎖)の法制化さえ議論しなければならなくなる」と警告した。これに対し、首相は記者団に各地方の拠点となる都市圏での対策強化が重要との考えを示し「全国的に(宣言発令)とは考えていない」と語った。【李舜、金秀蓮】