【センバツ】どうなる36校 21世紀枠は? 一般枠は? 今日選考委員会
2023/01/27 07:35
甲子園球場の外観
(日刊スポーツ)
<第95回選抜高校野球:選考委員会>◇27日
第95回選抜高校野球大会の出場校を決める選考委員会が今日27日に行われ、36校が決まる。午後3時半から21世紀、一般選考枠の順に発表される予定。センバツ大会は3月10日に組み合わせ抽選が行われ、同18日に開幕する。
【21世紀枠=3校】
東日本から1校、西日本から1校ずつ選び、残り1校は地域に関係なく選出される。昨秋は県大会準優勝し、東北大会でも8強入りした由利、創立98年の進学校で文武両道の石橋は16、20年に続く候補入りとなり“三度目の正直”での初出場なるか。候補校は以下の通り。
【北海道】
◆稚内大谷
昨秋の名寄地区代表決定戦ではコールド勝ちで北海道大会進出を決めた。2回戦の立命館慶祥戦ではシーソーゲームの末に延長10回サヨナラ負けを喫したが、北海道大会16強入りを果たした。日本最北端の私立校で、これまでに同校の甲子園出場経験はなく名寄地区からも初の甲子園出場を目指している。
【東北】
◆由利(秋田)
昨秋の秋田大会では、昨夏甲子園出場の能代松陽にこそ敗れたが準優勝。東北大会では初戦の弘前東(青森)戦で16安打9得点と快勝し、準々決勝で昨夏甲子園4強入りした聖光学院相手に激闘。延長11回にスクイズを決められてサヨナラ負けを喫したが、2−3と強豪相手に勝利まであと一歩とした。甲子園出場経験はなく、3年前にも秋田県の21世紀枠推薦校に
【関東・東京】
◆石橋(栃木)
昨秋の栃木大会では、3試合連続で2桁得点を奪ってコールド勝ちする一方で、準決勝までの4試合で3失点と堅守も光る。準決勝で青藍泰斗に敗れたが、20年秋以来の県4強入りを果たした。近年は17年春や16年秋なども県4強入りしており、16年と20年にも関東・東京地区の候補校に選出されたが、センバツ切符はつかめなかった。甲子園出場経験はない。
【北信越】
◆氷見(富山)
昨夏の富山大会準決勝で高岡商に11−12と乱打戦の末敗れて、甲子園出場を逃した。しかし、秋の富山大会では1試合平均12・8得点と圧倒的な打力で優勝。北信越大会では1回戦・遊学館(石川)戦でプロ注目の青野拓海投手が延長12回を投げて完封勝ちするなど、8強入りを果たした。甲子園には65年夏と93年春の2度出場している。
【東海】
◆木本(三重)
学校は過疎化が進む三重県南部の熊野市にある。部員13人ながら昨秋三重大会では、3回戦で甲子園出場経験のある白山にコールド勝ち。3位決定戦では東海大会8強入りした海星に敗れたが奮闘した。甲子園の出場経験はない。
【近畿】
◆小野(兵庫)
昨秋兵庫大会では甲子園春夏通算8度出場の神港学園や今夏兵庫大会4強入りの加古川西などを破りベスト8に進出。準々決勝では近畿大会8強に入った社に敗れたが、2−3とロースコアの接戦を演じた。甲子園の出場はないが、放送部が全国大会常連校で夏の甲子園の開閉会式の司会を担当することも多い。また、東大や京大などの難関大学へも輩出する進学校としても知られる。
【中国】
◆神辺旭(広島)
昨秋の広島大会では接戦を勝ち上がった。準決勝まではすべて1点差ゲームをものにした。準決勝では甲子園常連校の広島商に3−5で敗れたが、中国大会に進出。1回戦のおかやま山陽戦では、のべ8人の継投で食らいついた。甲子園出場経験はない。
【四国】
◆城東(徳島)
昨秋の徳島大会では準々決勝まですべてコールド勝ち。四国大会出場をかけた3位決定戦で強豪の徳島商に敗れたが、4−5と接戦だった。甲子園出場経験はないが、19年秋にも四国大会ベスト8入りして四国地区の21世紀枠候補校に選ばれている。22年に学校は創立120周年を迎えた伝統ある学校で、瀬戸内寂聴さんの母校でもある。
【九州】
◆高鍋(宮崎)
昨秋の宮崎大会では、接戦をものにして勝ち進んだ。決勝では宮崎商に敗れて準優勝だったが、九州大会に出場。1回戦では昨夏甲子園に出場した明豊(大分)に及ばなかったが、先発した山床が9回2失点と力投した。甲子園には春夏通算10度出場し65年夏に4強入りしているが、98年春を最後に遠ざかっている。ラグビー部は花園常連校。
【一般枠=33校】
※◎=当確、○=有力、△=微妙
【北海道=1校】
選出は1校のみのため、昨秋北海道大会で連覇を達成したクラークで順当だ。昨春は1回戦、2−3で九州国際大付に敗れた。春夏を通じて、甲子園初勝利に手が届くか。
<昨秋北海道大会結果>
優勝 ◎クラーク
準V △北海
4強 立命館慶祥、函館大柏稜
8強 北照、札幌日大、白樺学園、札幌龍谷
【東北=3校】
記念大会で1枠増え3校に。昨秋東北大会優勝の仙台育英は、当確と言える。東北勢として初めて昨夏の甲子園を制し、甲子園連覇の期待もかかる。高橋煌稀、仁田陽翔、湯田統真ら(いずれも2年)を擁し、経験豊富な投手王国だ。
準優勝の東北も決定的だ。最速145キロ右腕のハッブス大起投手(2年)を擁し、県大会では仙台育英に勝利するなど、勝負強い。
3校目は、能代松陽が有力。4番の斎藤舜介内野手(2年)は、昨夏の甲子園もスタメンで出場しており経験豊富。
<昨秋東北大会結果>
優勝 ◎仙台育英(宮城2位)
準V ○東北(宮城1位)
4強 △能代松陽(秋田1位)△聖光学院(福島1位)
8強 鶴岡東(山形2位)山形中央(山形1位)由利(秋田2位)学法石川(福島2位)
【関東・東京=7校】
記念大会で1枠増。関東5校、東京1校を決め、残り1校は関東と東京を比較し決定。
昨秋関東大会で優勝した山梨学院と、準優勝の専大松戸、ベスト4の高崎健康福祉大高崎と慶応は順当に確実と言える。山梨学院は、昨夏の甲子園でも4番を打った高橋海翔内野手(2年)を筆頭に層が厚い。専大松戸は、最速151キロ右腕の平野大地投手(2年)に注目だ。慶応は、NPB通算525本塁打を放った清原和博氏の次男、勝児内野手(1年)が初めて甲子園の土を踏むことになる。関東での5校目は、作新学院が再有力と見る。準々決勝では専大松戸に3−4と接戦で敗れた。
東京では、優勝の東海大菅生が当確。監督の体罰問題で激震が走ったが、センバツの選考には差し支えないと運営委員会で確認された。エース日当直喜投手(2年)は気迫あふれる投球が持ち味。
最後の1枠となる7校目を関東、東京どちらから選ぶかが争点になる。関東8強の横浜、東京準優勝の二松学舎大付に加え、準決勝で東海大菅生に2−3の1点差で敗れた日大三も浮上する可能性がある。
横浜は、今秋ドラフト候補の最速140キロ左腕杉山遥希投手(2年)、攻守でチームの鍵を握る緒方漣内野手(2年)ら選手がそろう。
二松学舎大付は、決勝で東海大菅生に2−8で敗れ2年連続の準優勝だった。準決勝で、東海大菅生に惜敗した日大三にもチャンスがありそうだ。
センバツの選考は、地域性も考慮される。関東4強に残らなかった埼玉勢を推す声が上がることも考えられる。
<昨秋関東大会結果>
優勝 ◎山梨学院(山梨1位)
準V ◎専大松戸(千葉1位)
4強 ○高崎健康福祉大高崎(群馬1位)○慶応(神奈川2位)
8強 △作新学院(栃木1位)△横浜(神奈川1位)△山村学園(埼玉3位)△昌平(埼玉1位)
<昨秋東京大会結果>
優勝 ◎東海大菅生
準V △二松学舎大付
4強 △帝京、△日大三
8強 国士舘、世田谷学園、桜美林、日体大荏原
【東海=3校】
記念大会で1枠増え3校に。
昨年は、東海大会準優勝の聖隷クリストファー(静岡)が落選し、4強の大垣日大が選出されて物議を醸した東海地区。今年は3校選出のため、昨秋東海大会で優勝した東邦、準優勝の常葉大菊川は順当となる。
東邦はセンバツ5回優勝を誇り、春に強い。最速149キロの宮国凌空投手(2年)がエース。石川瑛貴主将(2年)は19年センバツ優勝を経験する中日・石川昂弥の弟。20年から率いるOBの山田祐輔監督は08年に捕手として甲子園に出場しており、指揮官として聖地に戻る。
常葉大菊川は10年ぶりの出場が濃厚。鈴木叶捕手(2年)が攻守の要だ。
3校目は、大垣日大が2年連続の出場となるか。東海大会ではエース山田渓太投手(2年)のスタミナが光った。
<昨秋東海大会結果>
優勝 ◎東邦(愛知1位)
準V ◎常葉大菊川(静岡1位)
4強 ○大垣日大(岐阜2位)△加藤学園(静岡3位)
8強 三重(三重1位)津商(三重2位)海星(三重3位)中京(岐阜1位)
【北信越=2校】
2校選出のため、昨秋の北信越大会で34年ぶりに優勝した北陸、準優勝の敦賀気比と福井勢が入りそうだ。
北陸は、阪急をモチーフにした赤が基調のユニホームで甲子園に立つ。エースで4番の友広陸投手(2年)がチームの中心だ。
敦賀気比は、北信越大会決勝で延長タイブレークの末に敗れた。辻晶太投手(2年)が軸となる。
<昨秋北信越大会結果>
優勝 ◎北陸(福井3位)
準V ○敦賀気比(福井1位)
4強 △福井商(福井2位)△松商学園(長野1位)
8強 日本航空石川(石川1位)氷見(富山1位)中越(新潟2位)富山第一(富山3位)
【近畿=7校】
一般選考枠は6だが、明治神宮大会で大阪桐蔭が優勝したため1枠が追加された。昨秋の近畿大会4強は文句なし。前大会Vに貢献した前田悠伍投手(2年)が健在の大阪桐蔭と、堀柊那捕手(2年)がいる報徳学園は優勝候補。投打のバランスに優れる智弁和歌山、技巧派右腕が頼もしい龍谷大平安も実力十分。
残り3校はベスト8から選ばれるだろう。履正社は投打にレベルが高い。彦根総合は好投手をそろえ、今大会唯一の初出場校になる可能性がある。この2校がやや優位と見る。
神宮枠でもたらされた残り1枠を争うのは高田商と社の公立勢。高田商は京都1位の乙訓に完封勝ちしたが、2回戦で龍谷大平安に0−5。社は奈良1位の天理から13得点で圧勝しながら智弁和歌山に0−7コールド負け。長短ある戦いぶりだった。地域性で優位なのは高田商だ。
前評判の高かった神戸国際大付(兵庫)は1回戦で大阪桐蔭に3−6で敗れ、苦しくなった。初回の満塁被弾が悔やまれる。
<昨秋近畿大会結果>
優勝 ◎大阪桐蔭(大阪1位)
準V ◎報徳学園(兵庫1位)
4強 ◎龍谷大平安(京都3位)◎智弁和歌山(和歌山1位)
8強 ○彦根総合(滋賀1位)○履正社(大阪2位)△高田商(奈良2位)△社(兵庫3位)
【中国・四国=6校】
1枠増の「6」。近年の実績から算出された基数「中国2、四国3」をまず決め、地区を問わず6校目を選ぶ。決勝に進んだ4校は順当だ。中国地区の広陵は神宮大会でも準優勝。神宮で2発の主砲真鍋慧内野手(2年)は注目のスラッガー。光はエースで主将の升田早人(2年)が伸びやかなフォームから140キロ超を投げ込む。久しぶりの甲子園切符を待っている。
準決勝で広陵と互角に戦った鳥取城北が3番手になる。高川学園は地域性で苦しいか。
四国地区は決勝で大熱戦を演じた英明と高松商の香川勢ダブル選出が確実。3校目は準決勝で英明に負けた高知と、高松商に敗れた鳴門の比較になる。甲乙つけがたい。
「中国3・四国3」と仮定すれば広陵、光、鳥取城北、英明、高松商と「高知か鳴門」だ。
<昨秋中国大会結果>
優勝 ◎広陵(広島1位)
準V ◎光(山口3位)
4強 ○鳥取城北(鳥取1位)△高川学園(山口1位)
8強 宇部鴻城(山口2位)おかやま山陽(岡山1位)創志学園(岡山2位)岡山学芸館(岡山3位)
<昨秋四国大会結果>
優勝 ◎英明(香川1位)
準V ◎高松商(香川2位)
4強 △高知(高知2位)△鳴門(徳島1位)
8強 今治西(愛媛1位)済美(愛媛2位)宇和島東(愛媛3位)明徳義塾(高知1位)
【九州=4校】
例年、波乱が少ない九州地区は今回もベスト4が順当に選ばれる可能性が高い。沖縄尚学はエースの東恩納蒼投手(2年)に注目。攻撃力も高く、明治神宮大会で仙台育英を追い詰めた。優勝候補の一角に挙げたい。長崎日大は決勝で3−0から逆転された。海星は準決勝で沖縄尚学に逆転サヨナラ負け。地力のある長崎勢はダブル出場で悔しい思いを晴らしたい。大分商も順当だろう。
サプライズがあるならベスト8勢の西日本短大付(福岡)と明豊(大分)が挙がる。西日本短大付は海星に2−3。明豊は沖縄尚学にサヨナラ負けと力を示した。
<昨秋九州大会結果>
優勝 ◎沖縄尚学(沖縄1位)
準V ◎長崎日大(長崎1位)
4強 ◎海星(長崎2位)◎大分商(大分2位)
8強 明豊(大分1位)日本ウェルネス沖縄(沖縄2位)西日本短大付(福岡1位)東福岡(福岡2位)