アフガン女性らが異例のデモ タリバンに権利尊重求め
2021/09/03 01:42
(AFPBB News)
【AFP=時事】アフガニスタン西部ヘラートで2日、女性たちが異例の街頭デモを行い、イスラム主義組織タリバンの支配下でも娘たちが学校に通えるならば、全身を覆う衣服「ブルカ」の着用を受け入れると訴えた。
デモには約50人の女性が参加。プラカードを掲げ、「教育、就業、安全は私たちの権利」とシュプレヒコールをあげた。
2001年に米主導の軍事作戦によって崩壊した第1次タリバン政権では、女性は教育と就業がほとんど認められていなかった。女性は公共の場でのブルカ着用を義務付けられ、男性の付き添いなしでの外出も禁止され、街頭デモの実施はとうてい考えられないものだった。
デモに参加した写真家・アーティストの女性はAFPの電話取材に対し、「私たちは、自分たちの権利のために集まっている」と説明。「そうしろと言われれば、ブルカを着用する覚悟もあるが、私たちは女性が学校や仕事に行けることを望んでいる」と語った。
イランとの国境に近く、かつてのシルクロード沿いにあるヘラートは、すでにブルカを着用している女性もみられるものの、比較的保守的な他の大都市とは違い、長年にわたり国際色がある都市となっていた。
デモ主催者の一人であるバシラ・タヘリさんは、「政府樹立に向けた協議が行われているが、女性の参加については協議されていない」と指摘。「私たちも政府に参加したい。女性なしで政府は樹立できない。タリバンには、私たちとの協議の場を持ってほしい」と訴えた。
タヘリさんによると、ヘラートではタリバン支配への恐怖と不安から「働く女性の大半が自宅にいる」という。別のデモ参加者の女性は、「意を決して職場に戻った医師や看護師といった女性たちの中には、タリバンからばかにされていると訴える人もいる」と説明。「タリバンは彼女たちに視線を向けたり、話しかけたりしない。怒った顔を見せるだけだ」と語った。 【翻訳編集】AFPBB News