県民の楽しみ、芋煮会は家族限定か4人以下で…知事が規模縮小求める
2021/09/09 14:52
(読売新聞)
芋煮会、今シーズンはこぢんまりと――。山形県の吉村知事は8日、県内各地の河川敷などで行う芋煮会について、今秋は、新型コロナウイルスの感染防止のため、参加者は家族に限るか、4人以下に規模を縮小して行うよう県民に求めた。
8日の定例記者会見で、芋煮会の人数制限の必要を問われ、答えた。
知事は「県民が楽しみにしている中で、本当に私もずっとずっと考えてきた」と述べ、県内ではバーベキュー時の感染事例が複数あることを例に、「屋外だから大丈夫ということではなく、油断してはいけない」と強調した。
その上で、「大人数の会食」「普段会っていない友人との会食」「マスクを外した会話」が感染リスクを高めると指摘し、芋煮会も飲食店での会食と同様、普段一緒にいる友人や職場の同僚と、少人数・短時間で行うよう求めた。
県は12日までの感染拡大防止特別集中期間中は、会食は3人以下で1時間程度とするよう求めている。政府は大人数(5人以上)の飲食は大声になり、感染リスクが高まると指摘していることから、期間終了後の芋煮会は4人以下が基準になると示した。普段一緒にいる家族で行う際は、人数制限はしないとした。
吉村知事は「今年だけ、何とか我慢していただきたい。例外の年にしていただきたい」とお願いした。
県民の反応は様々だ。
山形市緑町の会社員男性(74)は、毎年多数の芋煮会が開かれる馬見ヶ崎川の河川敷そばに住む。人数制限については「自粛する人が増えれば、近隣住民も安心できる」と歓迎し、「私も昨年は孫たちとの芋煮会を見送った。今年も我慢する」と自重する。
一方、同市あさひ町の通信制学校の男子生徒(17)は、「今年、友達が山形を離れる。最後の思い出にみんなで芋煮会をしたい。食べる時以外、マスクを着ければ大丈夫」と、気にしない様子だった。
同市の馬見ヶ崎川河川敷では、例年「日本一の芋煮会フェスティバル」が開催されるが、今年は2年連続の中止が決まっている。
開催地近くのスーパー「ヤマザワあさひ町店」では、大鍋やまき、牛肉など芋煮の具材などが一緒になった「いも煮会セット」がこの時期の主力商品だが、副店長の三浦遼太郎さん(36)は「昨秋は例年の半数の予約数だった。今年はさらに予約が減るだろう」と心配していた。