「優しいお母さんという印象」 車内放置で2児死亡、驚く近隣住民
2022/08/02 21:11
(毎日新聞)
神奈川県厚木市内の駐車場に止めた車に1歳の長男を放置したとして、同県警厚木署は2日、母親で同市長谷の無職、N容疑者(21)を保護責任者遺棄容疑で逮捕した。「放置したのは間違いない」と容疑を認めているという。長男は熱中症で7月29日に死亡が確認され、長男と一緒に病院に搬送された2歳の長女も8月2日に死亡した。
逮捕容疑は7月29日、厚木市内の駐車場に止めた車に長男を放置し、遺棄したとしている。県警によると、N容疑者は、車中にKちゃんと長女を残したまま駐車場近くの知人男性宅を訪れ、約1時間後に車に戻った。その後、車を運転して自宅近くの「ぼうさいの丘公園」の駐車場に移動。午後4時50分ごろ、公園から「子ども2人の具合が悪い」と119番通報したとみられる。
N容疑者は当初の調べに対し、「子どもたちが後部座席で寝ていたので、30分ほどエンジンを切って窓を開けていた。私は前の席でスマートフォンを見ていた」などと説明していた。気象庁によると、この日は現場周辺の最高気温が33度を超えていた地点もあった。
N容疑者は公園のそばのアパートで自身の母親とKちゃん、長女の4人で生活していた。同じアパートの住人の男性(26)は「子どもに声を荒らげることはなく、優しいお母さんという印象だった。叫び声も聞いたことがない」と話した。
30代の夫婦は「あいさつしてくれるような、いい人の印象。事件当日も家の前にプールを設けて遊んでいるのを見た。子ども2人はいつも笑顔でかわいかった。ショックだ」と驚いた様子で語った。【牧野大輔、宮島麻実、田中綾乃、池田直】