原因不明の小児肝炎、欧米で広がる 死亡例なし 政府が情報収集
2022/04/20 23:33
(毎日新聞)
英国で今年1月以降、原因不明の子どもの急性肝炎の症例報告が相次いでいる。19日までに米国を含め5カ国でも確認された。日本政府は、症例報告が目立つ英国などからの情報収集に努めている。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)などによると、これまでに英国、米国のほかデンマーク、アイルランド、オランダ、スペインで症例が確認された。英保健当局によると8日までに74人の急性肝炎の症例報告があり、ほとんどが10歳未満。うち6人は肝臓移植を受けた。今のところ、死亡例はない。症状は黄だんや肝機能の数値の異常のほか、一部の症例では腹痛、下痢、嘔吐(おうと)などが報告された。ほどんどのケースで発熱はなかった。
英保健当局によると、患者から従来の肝炎ウイルス(A〜E型)は確認されていない。調査中の症例の原因の一つとして、アデノウイルスの可能性が指摘されているが、新型コロナウイルスや他のウイルス、環境上の要因などを含めて引き続き調べている。米国で報告された9人はアデノウイルス検査も陽性だった。
松野博一官房長官は20日の記者会見で「(国内での発生症例の)報告は受けていない」と述べ、今後も情報収集を続ける考えを示した。【金秀蓮】