安倍晋三首相が新型コロナウイルス対応に苦戦し、政府の危機対応は混迷を深めている。感染を封じ込める医療対応や、国民生活を守る経済対策は後手に回り、出口は見えないまま。「安倍1強」体制は揺れ、政権内の力学変化もささやかれる。

 「長期戦も予想される中でウイルスとの闘いを乗り切るためには、何よりも国民との一体感が大切だ」。首相は17日の記者会見で、外出自粛など国民の協力を訴えた。同時に、首相官邸が主導した目玉政策の「収入減少世帯への30万円給付」が、公明党の反対によって「国民1人10万円給付」に急きょ変わった「混乱」を認めて陳謝した。