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経典の中の差別語問題真宗大谷派が謝罪書き換えられない文言、問われる解決のかたち

2021-09-19 07:30:23 | ニュース
経典の中の差別語問題 真宗大谷派が謝罪 書き換えられない文言、問われる解決のかたち
2021/09/18 19:20

(京都新聞)
 真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)の僧侶、門徒でつくる議決機関・宗会が、約100年前から差別語であると批判されてきた経典の文言「是旃陀羅(ぜせんだら)」について、改善を誓う決議を全会一致で行った。文言を解説する際、日本で差別を受けてきた人たちに例えてきた歴史についても謝罪した。だが釈迦(しゃか)の言葉である経典は書き換えられず、時代とともに人権意識が変わる中、難しい決断を迫られている。

 是旃陀羅は、仏教の経典の一つ「観無量寿経(観経)」にある一節。観無量寿経は浄土真宗などで重要な経典とされてきた。旃陀羅は古代インドの被差別民を指し、同派では江戸から昭和初めごろまで日本の被差別身分に例えて説明されていたとみられる。1922年の全国結成以来、差別を助長すると指摘され続け、40年には同社幹部から経典の語句訂正も含めた対応を求められた。

 教団内でも「是旃陀羅」を差別語と認識して解説書で手厚く説明したり、学習会を重ねたりして対応してきた。だが経典の文言を変えるわけにはいかず、同派によると現在も年忌法要で「是旃陀羅」を含む観経が読経されることがあるという。

 一方で、2013年には解放同盟広島県連が改めて問題を提起。教団内でも2022年に創立100年、23年に浄土真宗の立教開宗800年を控え、抜本的に解決すべきとの声が高まっていた。

 そこで僧侶でつくる宗議会と、門徒で構成する参議会(各65人)は今年6月に決議を提案し、それぞれ全会一致で可決した。

 決議文では「その言葉を耐えがたいと感じる人がいることに思いが至らず、読誦(どくじゅ)を繰り返してきた」と謝罪。「人間解放という人類共通の願いに向けた具体的な一歩を踏み出すべきである」とし、差別のない社会に向けて努力し続けることを誓った。

 ただ、決議について宗会議員の中には「長年の課題解決に向け、ようやくスタート地点につけた」との声がある半面、「具体的な解決策まで示しきれなかった」との指摘もある。

 一部の僧侶からは法要で「是旃陀羅」の文言を読まないことが解決策として提案されている。だが「経典を読み飛ばすことは、書き換えることと変わらない」、「ただ読まないだけでは問題を見えなくするだけで、根本的な解決とはいえない」との意見も根強く、解決に向けた道筋はまだ見えていない。

 執行部にあたる大谷派の内局は、決議を受けて「100周年を迎える来年3月までに一定の見解を示したい」と説明。問題意識を共有するための冊子作りや全国25教区での意見集約を進めつつ、具体的な対応策の検討を進めているという。

▽「是旃陀羅」問題に取り組む解放同盟広島県連の岡田英治委員長の話
 初めて決議されたのは大きな前進で、過去をざんげしていることも評価したい。ただ、具体的な対応も決議してほしかった。最低でも不読にし、時間がかかっても教えと整合性がとれるように何らかの変更をするのが大事だと思う。経典には女性差別や障害者差別もある。同じ問題は他宗派にもあり、さらに考えてほしい。


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