「国民、国会にこそ説明を」 野党、宣言延長巡り菅首相を批判
2021/09/09 18:58
(毎日新聞)
野党は9日の衆参両院の議院運営委員会で、新型コロナウイルス対策を理由に自民党総裁選への不出馬を表明しながら、国会に出席せず、説明責任を果たそうとしない菅義偉首相の姿勢を批判した。
議運委では、政府が19都道府県への緊急事態宣言延長などを事前に報告した。共産党の田村智子氏は参院議運委で、今月3日に「コロナの感染拡大防止に専念したい」と総裁選不出馬を表明した首相について「今どこでどんな新型コロナ対策をされているのか」と問いただした。西村康稔経済再生担当相は「連日、私たちが感染状況などを説明し、首相も理解し、危機感を共有している」とかわしたが、田村氏は「菅首相になってから議運委での審議は22回あるが、出席したのはわずか2回だけだ」と指摘。「国会での質疑は6月9日の党首討論が最後だ。その後、感染爆発、医療崩壊が起きた。これほどの危機に政府対策本部長(の首相)が一度も(国会で)説明しないのは、最悪の強権政治だ」と痛烈に批判した。
立憲民主党の広田一氏も衆院議運委で「最後ぐらい国会に出てきて、国民に説明責任を果たすべきだ」と強調し、「首相自らが政治空白を作っている。危機意識はないのか」と国会で説明するよう要求した。共産の塩川鉄也氏は、首相が退任間近の9月下旬に訪米する検討に入ったことについて「バイデン米大統領に説明している時ではない。国民、国会にこそ説明すべき時だ」と語気を強めた。
野党は、総裁選に出馬する意向の河野太郎行政改革担当相もやり玉に挙げた。立憲の白真勲氏は参院議運委で、連日、財務省に麻生太郎副総理兼財務相を訪ねている河野氏について「(河野氏が担当する)新型コロナワクチンの話なら分かるが、自分の派閥の長として毎日訪問するなら公私混同、職務放棄と言われてもしょうがない」と非難した。【佐藤慶】