みなさんこんにちは。
初夏の様な気候にポスティングをしていると滴る汗。
あれ…下着やパンツがヲォームビズ商品だ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock1.gif)
エアリズムとかいう涼しそうなものを引っ張り出しました。
さて、今回は、断熱と省エネの関係性にまつわる誤解を解きながら、家づくりの際の断熱と省エネへの正しいアプローチを探ってみたいと思います。
多くの方が、省エネするには断熱性能を上げるのが効果的と考えているのですが、日本においては、一概にそうとは言えません。
海外などでは断熱すれば省エネにつながるのが常識です。
それは住まいの全館暖房が徹底されているからです。
トイレに行こうが、バスルームに行こうがガンガン暖房で暖めています。
そのため、建物自体の断熱性能を上げれば、当然暖房にかけるエネルギーを大きく削減できるので省エネ効果も高くなります。
ですが、日本はそもそも暖房などしていない、エネルギーを使わずに我慢する国なのです。
省エネという観点からみたらそれだって立派な省エネの実践なのです。
断熱はあくまでも健康を守るためのものと捉えるべきです。
ドイツなどでは“温度は人権だ”と言うくらいに家の中の温度に対しての意識があります。
古いアパートであっても常に全室20℃以上に温められ、暖房は一定額以上はオーナー自身が負担するというケースもあるとか。
一方日本は、家の中の温度に関しては劣悪な環境です。
とにかく寒くても全館暖房などはせずに我慢してしまいます。
トイレやバスルームなどの非暖房室で最低温度10℃以下も当たり前といった状況です。
そのため、ヒートショックのような命に関わる問題も多発しています。
ヒートショックとは温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することで、心筋梗塞や脳梗塞など重大な問題を引き起こす健康被害です。
家庭内では温度差の大きい冬場の浴室で起こることが多いとされています。
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターが2014年に発表したデータでは、2011年の1年間に1万7,000人が入浴中にヒートショックに関連した症状で急死したと推計されています。
この数字は、同年の交通事故の死亡者数4,611人を遥かに超える数です。
「夏場に室内でエアコンをかけずに熱中症になるケースには、『なぜエアコンをつけないのか?』と声を掛けることはあっても、ヒートショックになるケースに、『暖房すればいいのに……』と声を掛けることはありません。
冷房は寝室やリビングだけで済むけど、暖房で脱衣室まで温めようという意欲は、無断熱状態では湧いてこないのです。
だから『脱衣室も温めようよ』という前に『断熱しよう』と言いたくなります。
でも。脱衣室まで断熱するとなれば家全体の断熱改修になって、そんなお金払えない…ということになってしまっているのです。
そもそも「改正省エネ基準」でも断熱と省エネは分けて考えられています。
建物全体の省エネルギー性能を評価する“一次エネルギー基準”と断熱性能を評価する“外皮性能”の2つの基準が設定されています。
外皮基準を定めている理由は「家の中全体を10℃以下にしない」ことで「結露」や「ヒートショック」を防止するという意味で、省エネの前に温熱環境として最低ラインを維持させるためだそうです。
室内の最低温度を冬場でもどこでも10℃にするという性能は、防災の観点からも重要です。
災害時に暖房が止まったとしても10℃をキープできていれば致命的なことにはならずに済むからです。
雪国のように冬場の昼間に日射が期待できない地域などでは、この基準をクリアできるかどうかが命に関わってきます。
省エネはあくまでもエネルギーのやりくりの話で、外皮にまつわる断熱の話はあくまでも健康を守るため。
意味合いが違うのになぜか今は断熱の目的までも省エネとして捉えられてしまいます。
そのため家づくりの際にも混乱が生じています。
省エネでは断熱・気密が関連する暖冷房だけでなく、換気、給湯、照明、家電も含めた生活総合エネルギーで捉える必要があります。
例えば関東以西の温暖地になると暖冷房が占める割合は、総エネルギーの1/4以下しかないため(断熱性が省エネ基準レベルを想定)、断熱性を高めても小さな効果しか得られません。
つまり、断熱は省エネでは影が薄くなるのです。
省エネの効果だけを考えるのであれば、給湯だったり家電が重要になります。
もっと言えば、太陽光発電を増やした方が断熱性をアップするより安く済むかもしれません。
そんな「やりくり」と「銭勘定」が省エネにはあって、だから『断熱はダメだ』と論じられることもある。しかし、日本のように我慢の生活をしている状況では、断熱はまずは健康を守るために必要なこととして捉え、その結果省エネにも寄与する…という順番で考える必要があるのです。
施主は“何℃でその家に住みたいか”を考えるべきです
しかも、改正省エネ基準で定められた外皮の基準は、技術的にも目標値としてもそれほど高いものではないそうだ。
伝統型住宅を扱う企業の中には『省エネ基準が義務になったら廃業だ』という人もいるそうだが、基準をクリアするためには窓を断熱型に、そして天井、壁、床にそれぞれにグラスウール100㎜くらいを施工すれば問題がないそうです。
土壁で壁にグラスウール30㎜くらいしか入れられなくても天井にたっぷりのせればクリアできるのです。
最低温度が10℃というのは、ヒートショックへの対応や結露防止など健康を守る上での最低基準の温度です。
それを確保する省エネ基準もまた最低限と言えます。
これを15℃まで高めることが次のステップの基準となるでしょう。
工務店の方々などは次の基準が出るのを待つのではなく、自ら次のステップを目指していくべきです。
施主の方々ももっと室内温度というものに関心を持つべきです。
日本では家に温度計のない家庭がほとんどですが、例えば部内の最低温度が15℃あれば、冬布団から出るのが苦ではなくなります。
家づくりの際には、施主はその家で何℃で生活がしたいのか、そうした判断を持つべきです。
それより、伝統型住宅がもつ軒の出た縁側のある家は、パッシブデザインとして素晴らしいものと言えます。
そこに省エネ基準レベルの断熱を施せば、晴れた日は昼に20℃、朝まで15℃以下にならない温熱環境がつくれます。
つまり、伝統型住宅と断熱化はとてもよい相関関係をつくることができるのです。
家づくりの際に持ちたい“健康”の視点
省エネと断熱は分けて考えるもの。
「断熱」と「省エネ」のとおりこの2つの視点を混ぜて考えてしまうと家づくりには混乱が生じてしまうでしょう。
省エネの費用対効果だけを考えてしまえば断熱の意味合いが薄れてしまうからです。
しかし、“健康に過ごす”という、むしろ住まいのあり方で最重要の観点にフォーカスを当てれば、断熱の重要性も浮上してきます。
いずれにしてもエネルギー消費で断熱を考えるのではなく、温度で断熱を考えることが重要なのです。
今後、改正省エネ基準により、それぞれに断熱や省エネを謳った家づくりが増えてくると思いますが、お施主様側も、きちんと断熱と省エネそれぞれの役割を捉え、適切な判断をしていきたいものです。
初夏の様な気候にポスティングをしていると滴る汗。
あれ…下着やパンツがヲォームビズ商品だ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_shock1.gif)
エアリズムとかいう涼しそうなものを引っ張り出しました。
さて、今回は、断熱と省エネの関係性にまつわる誤解を解きながら、家づくりの際の断熱と省エネへの正しいアプローチを探ってみたいと思います。
多くの方が、省エネするには断熱性能を上げるのが効果的と考えているのですが、日本においては、一概にそうとは言えません。
海外などでは断熱すれば省エネにつながるのが常識です。
それは住まいの全館暖房が徹底されているからです。
トイレに行こうが、バスルームに行こうがガンガン暖房で暖めています。
そのため、建物自体の断熱性能を上げれば、当然暖房にかけるエネルギーを大きく削減できるので省エネ効果も高くなります。
ですが、日本はそもそも暖房などしていない、エネルギーを使わずに我慢する国なのです。
省エネという観点からみたらそれだって立派な省エネの実践なのです。
断熱はあくまでも健康を守るためのものと捉えるべきです。
ドイツなどでは“温度は人権だ”と言うくらいに家の中の温度に対しての意識があります。
古いアパートであっても常に全室20℃以上に温められ、暖房は一定額以上はオーナー自身が負担するというケースもあるとか。
一方日本は、家の中の温度に関しては劣悪な環境です。
とにかく寒くても全館暖房などはせずに我慢してしまいます。
トイレやバスルームなどの非暖房室で最低温度10℃以下も当たり前といった状況です。
そのため、ヒートショックのような命に関わる問題も多発しています。
ヒートショックとは温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することで、心筋梗塞や脳梗塞など重大な問題を引き起こす健康被害です。
家庭内では温度差の大きい冬場の浴室で起こることが多いとされています。
地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターが2014年に発表したデータでは、2011年の1年間に1万7,000人が入浴中にヒートショックに関連した症状で急死したと推計されています。
この数字は、同年の交通事故の死亡者数4,611人を遥かに超える数です。
「夏場に室内でエアコンをかけずに熱中症になるケースには、『なぜエアコンをつけないのか?』と声を掛けることはあっても、ヒートショックになるケースに、『暖房すればいいのに……』と声を掛けることはありません。
冷房は寝室やリビングだけで済むけど、暖房で脱衣室まで温めようという意欲は、無断熱状態では湧いてこないのです。
だから『脱衣室も温めようよ』という前に『断熱しよう』と言いたくなります。
でも。脱衣室まで断熱するとなれば家全体の断熱改修になって、そんなお金払えない…ということになってしまっているのです。
そもそも「改正省エネ基準」でも断熱と省エネは分けて考えられています。
建物全体の省エネルギー性能を評価する“一次エネルギー基準”と断熱性能を評価する“外皮性能”の2つの基準が設定されています。
外皮基準を定めている理由は「家の中全体を10℃以下にしない」ことで「結露」や「ヒートショック」を防止するという意味で、省エネの前に温熱環境として最低ラインを維持させるためだそうです。
室内の最低温度を冬場でもどこでも10℃にするという性能は、防災の観点からも重要です。
災害時に暖房が止まったとしても10℃をキープできていれば致命的なことにはならずに済むからです。
雪国のように冬場の昼間に日射が期待できない地域などでは、この基準をクリアできるかどうかが命に関わってきます。
省エネはあくまでもエネルギーのやりくりの話で、外皮にまつわる断熱の話はあくまでも健康を守るため。
意味合いが違うのになぜか今は断熱の目的までも省エネとして捉えられてしまいます。
そのため家づくりの際にも混乱が生じています。
省エネでは断熱・気密が関連する暖冷房だけでなく、換気、給湯、照明、家電も含めた生活総合エネルギーで捉える必要があります。
例えば関東以西の温暖地になると暖冷房が占める割合は、総エネルギーの1/4以下しかないため(断熱性が省エネ基準レベルを想定)、断熱性を高めても小さな効果しか得られません。
つまり、断熱は省エネでは影が薄くなるのです。
省エネの効果だけを考えるのであれば、給湯だったり家電が重要になります。
もっと言えば、太陽光発電を増やした方が断熱性をアップするより安く済むかもしれません。
そんな「やりくり」と「銭勘定」が省エネにはあって、だから『断熱はダメだ』と論じられることもある。しかし、日本のように我慢の生活をしている状況では、断熱はまずは健康を守るために必要なこととして捉え、その結果省エネにも寄与する…という順番で考える必要があるのです。
施主は“何℃でその家に住みたいか”を考えるべきです
しかも、改正省エネ基準で定められた外皮の基準は、技術的にも目標値としてもそれほど高いものではないそうだ。
伝統型住宅を扱う企業の中には『省エネ基準が義務になったら廃業だ』という人もいるそうだが、基準をクリアするためには窓を断熱型に、そして天井、壁、床にそれぞれにグラスウール100㎜くらいを施工すれば問題がないそうです。
土壁で壁にグラスウール30㎜くらいしか入れられなくても天井にたっぷりのせればクリアできるのです。
最低温度が10℃というのは、ヒートショックへの対応や結露防止など健康を守る上での最低基準の温度です。
それを確保する省エネ基準もまた最低限と言えます。
これを15℃まで高めることが次のステップの基準となるでしょう。
工務店の方々などは次の基準が出るのを待つのではなく、自ら次のステップを目指していくべきです。
施主の方々ももっと室内温度というものに関心を持つべきです。
日本では家に温度計のない家庭がほとんどですが、例えば部内の最低温度が15℃あれば、冬布団から出るのが苦ではなくなります。
家づくりの際には、施主はその家で何℃で生活がしたいのか、そうした判断を持つべきです。
それより、伝統型住宅がもつ軒の出た縁側のある家は、パッシブデザインとして素晴らしいものと言えます。
そこに省エネ基準レベルの断熱を施せば、晴れた日は昼に20℃、朝まで15℃以下にならない温熱環境がつくれます。
つまり、伝統型住宅と断熱化はとてもよい相関関係をつくることができるのです。
家づくりの際に持ちたい“健康”の視点
省エネと断熱は分けて考えるもの。
「断熱」と「省エネ」のとおりこの2つの視点を混ぜて考えてしまうと家づくりには混乱が生じてしまうでしょう。
省エネの費用対効果だけを考えてしまえば断熱の意味合いが薄れてしまうからです。
しかし、“健康に過ごす”という、むしろ住まいのあり方で最重要の観点にフォーカスを当てれば、断熱の重要性も浮上してきます。
いずれにしてもエネルギー消費で断熱を考えるのではなく、温度で断熱を考えることが重要なのです。
今後、改正省エネ基準により、それぞれに断熱や省エネを謳った家づくりが増えてくると思いますが、お施主様側も、きちんと断熱と省エネそれぞれの役割を捉え、適切な判断をしていきたいものです。