唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
10年後のDSLRは絶滅危惧種?
43 Rumorsに、オリンパスが2、3年後にはプロ用のPEN、つまりM4/3を発表するだろうと云う記事が掲載されていた(Click here)。オリジナル4/3ではなくM4/3規格のプロ機か。と云うことはミラーレスのプロ機と云うことになる訳で、興味深く読んでいたら更に驚く記述があった。
記事は43 Rumorsのオリジナルではなく、元はと云えばMegaPixel(see here)と云うヘブライ語で書かれたイスラエルのサイトだが、幸いなことに43 Rumorsの元ネタとなった記事は英語で書かれていたので何とか判読することができた。郷秋<Gauche>がびっくりした部分(だけ)をそのまま転載する。
Q: What can you tell us about the future "PEN Pro" you mentioned in your presentation?
A: We see the mirrorless system as the future of digital photography. In 5-10 years reflex cameras will be a niche or will not be there at all. So we believe that PEN in the long run will also be in the professional market – but that will take maybe 2-3 years. In 2011 you will see more PEN products and more lenses (beyond what was discussed in the presentation).
質問に答えているのはオリンパスヨーロッパのDominic Papenheim氏(そのポジションは不明)だが、もし氏が云うように5-10年後にはミラーレスが主流となりDSLR(デジタル方式一眼レフ)がニッチマーケットに活路を見出す絶滅危惧種になっているとすれば、今日ニコンとキヤノンが持つレンズ交換式デジタルカメラのマーケットはオリンパスとパナソニックがその大部分を占め、一眼レフなんかを持っていようものならば、「へ~~~っ、DSLRをお使いなんですか!」と云うことになるんだろうか。
しかしねぇ、Papenheim氏は楽観的過ぎますよ。ミラーレスが更にシェアを伸ばすであろうことに異論はないけれど、報道や超望遠やマクロレンズを使ったシビアなピント精度が求められる分野、モータースポーツを含むスポーツ分野などでのSLRの優位は動かないだろうと郷秋<Gauche>は思うぞ。
ただしSLRもいつまでもミラーをパタパタと上下させてはいないかも知れないな。つまりハーフミラーの利用が一般的になり、ファインダー系にもデジタル情報を追加したハイブリッドファインダー等の新しい技術が取り入れられ今以上に磨きがかけられつつ、レフレックス機構と光学式ファインダーはプロ機の証として使われ続けているんじゃないだろうか。
ただしこれは40年近くもSLRをメインに使ってきた郷秋<Gauche>が思う事であり、例えば10年前に今日のE-P2やGF2更にはX100のようなカメラの登場を想像出来たかと云えば、その答えが明らかに「No」であることを考えれば、DSLRがニッチ商品に「成り下がって」いる10年後だって、残念ながらあるかも知れないわけだな。
今日の一枚は(不出来で恥ずかしいが)、伝統的なSLRの流れをくむ正統派DSLR(Nikon D300)と、ここ2年の間に台頭したミラーレス一眼(OLYMPUS E-P2)。大人と子供ほどの大きさの違いがあるが、撮影時の条件さえ良ければ出来上がった写真に大差はないとも云える。しかし、操作性の点では大きな差があり、特に報道現場などではミラーレスはDSLRに太刀打ちできない。が、これも「現状では」で云う事であり、先にも書いた通り10年後にその立ち位置が変化している可能性は否定できない。