35人学級「効果なし」? ―教育を考える小文―

 財務省が、2011年に導入した公立小学校の1年生の35人学級を、「効果なし」として1学級40人学級に戻すよう文科省に求める方針を固めたとの事。 財務省があげた効果とは、いじめ、暴力行為、不登校の減少のようです(他にもあるのかも知れませんが神奈川新聞によれば)。教育の効果とは、それだけですか。 しかもほんの数年と云う短期間で効果が出るものなのでしょうか。

 教科学習の短期的効果ならば、テストをしてみれば測定することが出来るでしょう。でも、その教科学習の長期的な効果、つまりその学習がその人生に与えた効果を検証しようとするならば5年、10年、20年、更には死の時までの人生を見てみなければその効果の程を知ることは出来ないのではないでしょうか。

 教育は単に知識を与え得るのではなく、ひとり一人が持って生まれた良きものを伸ばし、人間文化のすべてをその人格の中に調和的に形成するところに目標があらねばならないと思うのです。80年以上にも及ぶ長い人生を考えれば、学校での教育はその一時期のことでしかありません。小学校で播かれた種が大樹となるためには80年と云う長い時間が必要なのです。

 「国家百年の計は教育にあり」です。2011年に導入した制度の成果をほんの数年で測ろうとしてはいけません。物を作るのではないのです。人を育てるのです。時間がかかります。お金もかかります。でも、それが教育と云う仕事です。国家にとって教育は最も大切な事業です。最優先に予算を投入するべきは教育。教育こそが国家の行く末を握っているのです。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、この季節愛らしい花を咲かせる姫蔓蕎麦(ひめつるそば)。今年はまだ、まともな姫蔓蕎麦が撮れていないので旧作で誤魔化す(^^;

 「恩田の森Now」
http://blog.goo.ne.jp/ondanomori/
 19日に撮影した写真を4点掲載いたしております。晩秋へと向かう森の様子をどうぞご覧ください。

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