カシオに続くのはどこ?

 カシオがデジタルカメラ市場からの撤退を決めたことは周知の通り。
https://casio.jp/dc/end/

 カシオは1995年に世界初の液晶モニター付き民生用(一般消費者向け)デジタルカメラQV-10の発売した、コンパクトタイプデジタルカメラ普及の立役者である。その立役者が自ら築いた舞台を去る。一つの時代が終わったということである。

 カシオは一眼レフやノンレフレックス(ミラーレス)機には手を出さず(と云うか、出せなかった)、コンパクトタイプに特化したマーケティング戦略を貫いたが、ご存知の通りスマートフォンの普及と共にコンパクトタイプデジタルカメラの売上は激減。ニコンやキヤノン、ソニーやオリンパスはコンパクトタイプの減少を一眼レフやノンレフレックス機でカバーしつつ現在に至っているが、低価格であるために数が出なければ利益も出ないコンパクトタイプだけのカシオには撤退の道しか残されていなかったということなのだろう。

 同じようにカメラ部門が重荷になっている企業も少なくない。ということはカシオと同じ道を歩むことになる企業が出てくる可能性も少なくないことを意味している。カシオの後を追うのはどこだ。

 現在日本国内のカメラメーカーはカシオを除くとニコン、オリンパス、キヤノン、シグマ、ソニー、パナソニック、富士フイルム、リコー(ペンタックス)の8社である(ニコン以下は五十音順。コダックとマミヤについては論ずる必要はないだろう)。

 この中でカメラを社業の中心に据えているのはニコンだけである。他はと云えば、売上高8兆円のソニーとパナソニックにとってカメラ事業は社業のほんの一部であり、以下同4億円のキヤノン、2億円の富士フイルムとリコー、7500億円のオリンパスも同様である。ちなみにニコンの売上はオリンパスとほぼ同規模で7500億円、カシオは3000億円。

 これらの数字からみると、売上高の少ない企業から順に不採算のカメラ事業から撤退する可能性があるのだが、オリンパスは8社の中ではカメラ部門の比率が大きく、比較的好調であることから当面続けるだろう。富士フイルムとリコーは同規模の企業だが、リコーにとってのカメラ事業、つまりペンタックス部門は回り回ってやって来た厄介者。一方の富士フイルムは「写真文化の創造」を社是としている企業であるからカメラ事業から手を引くことはない。

 ニコンは規模こそ大きくはないがもちろんカメラ中心の企業であり、高い技術力とブランドイメージでカメラ業界の頂点に君臨し世界中に多くのファンがおり、プロの写真家かからの支持は圧倒的であり他の追随を許さない。キヤノンはそのブランドイメージの多くをカメラに依っている。だからこの2社のカメラ事業は不滅である。怪しいのはソニーとパナソニックの家電屋さん2社だ。カメラを止めても他にいくつもの顔を持っているのでダメージは少ないのだ。

 シグマはレンズ屋さんだが、自社のレンズの優秀さをアピールするためにカメラはなくてはならない「脇役」だから、売れなくてもカメラは手放さない。と云うことは、カシオの後に続くのはリコーと云うことになるのか。まぁ、リコーがカメラ事業から足を洗うことになったとしてもペンタックスブランドが消えることはないだろう。きっとパナソニックが買収し、現在のルミックスブランドをペンタックスに換え、独自の商品展開を推進するのではないかと思うぞ。


 と云う訳で今日の一枚は、逆境にあってもコンクリートのわずかな割れ目を見つけて根をおろし、必死に生き延びんとするカタバミ。

「恩田の森Now」 http://blog.goo.ne.jp/ondanomori に、ただいまは5月18日に撮影した写真を6点掲載いたしております。初夏の森の様子をご覧いただければ幸いです。

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