弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

Law&Orderからみるアメリカ、ネット利用の新しい犯罪

2012年02月12日 | Law&Order

相変わらず、インフルエンザはなおりません。
朝目覚めると、汗いっぱいです。
にもかかわらず、熱っぽいですし、のどの痛みも・・・
1年間の緊張が緩んだところに、折からのインフルの猛威に
やられたのでしょう。
我慢。我慢。

ネットに無責任な投稿をしたことがきっかけでの殺人?でしたね。
ただの不用意な投稿ではなく、犯罪を煽ったというので、
例によってカッターは新しい挑戦です。
確かにネットの世界は不責任になりがちです。
ツイターやフェイスブックの威力はアラブの春(1年になります)で実証されました。
表現の自由との関係が法律的には一番難しいことだとは思います。
ネットの世界と現実の世界がうまく結びつけば、犯罪の立証も可能なわけです。
ただ、ネットの世界はあっという間に、労なく繋がりますが、
現実の世界はそうはいかない、はずです。
確かに、現在のように希薄な人間関係しかなければそうですが・・
ただ、今も昔ながらの緊密な人間のつながりは、そう、中国人の世界では
今も生きているということです。
今回は、新旧の人間のつながりの勝負のようなところがありました。

Law&Order を見ていて思うのは、発想あるいは問題提起の重要性です。
「ネットに無責任な投稿をしたことがきっかけでの殺人?」と表現しましたが、
それは警察や検事は事件をそうとらえるべきだと考えたからです。
そのうえで、そうだとすれば、何が必要か、何があるはずだと遡って辿っていくことで
「殺人」という構成ができるのです。
普通の凡人、正義感に欠ける人はこういう発想はしません。
Law&Order が面白いのは、まずどの犯罪か、という発想ではなく、
ちょっとおかしいんじゃない、放置したり、無視するわけにはいかないなじゃないという
人間としての素朴な正義感がまず生まれ、それでは、この目の前にある
不正義、不条理をいかに犯罪として料理するか、料理できるのか、という
逆からの発想があると思います。
今回のネット犯罪もそういう逆発想から生まれています。
おもしろいですね。

新手の犯罪がどしどし生まれてきます。
その中で、遅れずに正義を実現するためには、このような柔軟な発想と
強い使命感が絶対に必要だと思います。

なお、最後はmanslaugher として司法取引したとのことですが、
一番妥当な結論です。
manslaugher というのは故殺と訳されますが、要は、人の命に対して
reckless ということです。
ようやく、殺人としてのmanslaugher の考え方がしっくりとくるようになりました。

警部補のアニタ・ヴァン・ビューレンが癌治療を受けることになりましたが、
この意味はよくわかりません。
彼女はマッコイよりも誰よりも出演が長く、シーズン20以降は出演しないことを
明らかにしていたからでしょうか。
ただ、そもそもLaw&Orderはこのシーズンを持って終了することになりました
(派生番組や単発的なものは別にして)。
彼女の髪型ですが、最初からウイグです。
今の髪型の方が自前ではないかと思うのですが・・・