弁護士太田宏美の公式ブログ

正しい裁判を得るために

The Lincoln Lawyer (リンカーン弁護士)

2014年11月12日 | 日記

旅行の楽しみの一つにお買い物があります。
最後のチャンス。それは空港です。
免税品店よりは地元の商品を扱っているニューズスタンドが楽しいです。
お土産探しと残った外貨を消化する狙いも・・・

書籍・雑誌コーナーは格好の時間潰しの場所です。

ホノルルの空港でペーパーブックを買いました。
特に目当ての物はありませんので、できるだけボリュームのないものを。
といっても500ページ強です。洋書の場合、この程度は仕方ないですね。
もう一つは、著者紹介欄に Major motion picture になったことが
書かれていました。major な映画になったのなら
ハズレはないはずです。

それがマイクル・コナリーの「リンカーン弁護士」でした。
マイクル・コナリーは初めて知りました。

海外の法廷ものや弁護士ものはテレビではいろいろ見ますが、
原書を読むのは初めてです。

書き物ですから、弁護士活動の現場の様子が丁寧に書かれていました。

今まで不思議に思っていたことが一つ解決。

アメリカ映画・テレビを見ていると、検察官と弁護士が裁判官席Benchに行って
協議する場面をよく見ます。
ジャジは必ずマイクを手で覆うしぐさをします。
陪審員や傍聴者に内容を聞かせないためだとわかりますが、
マイクを覆うだけでどうして聞こえないのだろうか、不思議でした。

ジャジはsound neutralizer というものを「Flip ON」にし、
スピーカーから陪審員席に向けて
white noise を送り、視聴を妨害しているとのことでした。
終わればこのwhite noise を「Flick Off」にするわけです。

ようやく納得です。
その他技術的な細かなことですが、勾留中の被告人と裁判所でちょっと
打合せするときどのような場所でするのだろうかなどなどです。

また、アメリカといえば成功報酬Contingent Fee のみ
着手金なしの一種の賭けのような制度があると知っていますが、
それは民事事件だけであり、
刑事事件についてはContingent Feeは認められていません。
有罪であろうが無罪であろうが報酬額は変わらないのです。
時間制なんですね。
著名な弁護士は時間単価が高いわけですが、
主役のリンカーン弁護士 Haller の場合、AスケジュールとBスケジュールがあり、
A は 依頼者Louis のようなお金持ち用なんですね。
なお、ついでにいうと民事事件のうち、離婚についてはContingent Fee
は禁止されています(ただし、カリフォルニア州では刑事事件のみ禁止、
離婚の禁止はありません。アメリカは州によって制度が異なることがあります。)

さしあたりの感想です。