4月にシチリア島、10月にロシアに旅行した。
旅行をすると、どこに行っても、本当は、世界は狭いものなんだと思う。
狭いというのは繋がっているということです。
個人の旅行者にとっては、それを身も持って体験するということが、
面白い、意味があるということである。
共通項として一番考えさせられたのは、ノルマン人の移動である。
シチリアはギリシャやローマの影響が残っており、またアラブの影響も
強い。しかし、州都のパレルモは、シチリア島では新しい地域であり、
ノルマン人の国であった。ノルマン人はここにシチリア王国を築いたのである。
そして、10月ロシアでは、ノルマン人のリューリクの侵略の歴史を見聞する
こととなった。
モスクワがロシアを支配するようになる以前は、8世紀ころから侵入を始めた
ノルマン人の支配があったのである。黄金の環のあたりはその影響を大きく
受けた地域だった(戦いの場)。
最終的にはノルマン人は通婚を通してスラブ人と同化したとのことだった。
これは9-11世紀ころのノルマン人の移動を表しています。
(興亡の歴史14巻ロシア・ロマノフ王朝の大地:講談社からの引用です)
最初の部分です。
今から1000年も昔にこれほどまで広範囲に一つの民族が移動していたという事実に
驚きました。
ヨーロッパは狭いなと。
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今、シリアの難民がヨーロッパに押し寄せています。今年は100万人と言われています。
前掲の引用文の冒頭部分に「西ローマ帝国が崩壊し・・・・・中世国家の形成に向けて
さまざまな動きがみられた」とあります。
シリアの難民を民族の移動ととられるべきかどうかはわかりません。しかし、世界の
秩序が大きく動き出していることは事実のように思います。
日本だけにいるとわかりませんが、いろんな国を旅することで(あわせて実況で
しかもビデオで世界で起きている出来事を知り得るようになり)、理屈ではない
実感として、知り得るものがあります。
来年の世界はどうなるのでしょう。