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原油高、障害者の働く現場にずしり 「節約も限界」の声

2008年02月03日 21時53分13秒 | 障害者の自立
原油高、障害者の働く現場にずしり 「節約も限界」の声

2月3日(日)

まるこ福祉会のパン工房。障害者たちが働く現場に物価高がのしかかる=上田市
 パン作りやクリーニングなどで障害者の就労を支える県内の施設や事業所が、原油や原材料の高騰に苦しんでいる。2006年の障害者自立支援法施行で収入減にあえぐ施設にとって、送迎のガソリン代や暖房費など生活全般に及ぶ値上げは死活問題。「節約も限界」との声も漏れる。

 上田市の社会福祉法人「まるこ福祉会」が運営する就労継続支援B型などの多機能型事業所「とんぼハウス」。昨年末、障害のある利用者が働くパン工房で、商品のパンを総額で1割値上げした。小麦粉、砂糖、バターなどの原材料費が軒並み上がり、収益を圧迫。利用者の工賃に響きかねないからだ。

 同所は昨年4月、旧制度の通所授産施設から支援法に基づく新体系の事業所に移行。激変緩和措置による一定の保障はあるが、国から入る報酬の支払いが、月ごとの定額制から利用実績に応じた日払いに変更され、本年度は法施行前の1-2割の減収とみている。

 昨年3月までに非常勤職員を3人削減。暖房の設定温度を下げるなど節約も徹底するが、原田孝彦施設長(53)は「自助努力も限界に近い」。

 茅野市の知的障害者授産施設「この街学園」は、06年から翌年にかけ職員削減と賃金の5-10%カットに踏み切った。

 施設の収入が支援法施行前から約1割減に追い込まれる中、障害者の側は、同法で新たに生じた利用料や食費などの自己負担が2、3万円となり、月平均5000円の工賃を上回る人が続出。授産活動のパンの配達や送迎のガソリン代などの値上がりが追い打ちを掛け、「見通しはさらに厳しい」という。

 千曲市、長野市で障害者が働くクリーニングなどを手掛ける社会福祉法人「広望会」。機械を動かす重油の契約単価は昨年末で、その3年前と比べほぼ2倍となった。綿貫好子理事(49)は「こつこつ節約して乗り切れる額ではない」と嘆く。

 全国の障害者作業所や事業所、施設などでつくる「きょうされん」(東京)は昨年11-12月、原油高などの影響調査を実施。340カ所から回答を得た。月平均の増額分は、ガソリン代1万5080円、作業の原材料費3万5457円、食材料費3万4531円だった。

 多田薫事務局長は「支援法による利用者の負担増に対し、少しでも工賃を上げようとする事業所の努力が、水の泡になりかねない」と指摘。同団体は近く、国や自治体に、緊急の救済策を求める要望書を出す予定だ。