GOKIGENRADIO

バーボングラス片手のロックな毎日

松本人志の正論

2016-02-07 21:38:24 | BOOK/COMICS
松本人志。この人の頭の中はどうなっているのだろう。
この人の番組を観るたびにそう思う。視点が俺たちとは違いすぎる。
著書「遺書」などを読んでも「う~ん」って唸るばかり。なんか敗北感がある。どうやったらこんな眼と思考回路を持てるのか。

世の中には面白いことをしゃべる芸人はいっぱいいる。でも場の空気を読んで間髪を入れずボケやツッコミをいれれる人は少ない。しかもそれを100%に近い確率で成功させてる人はもっと少ないだろう。ビートたけしと明石家さんまくらいか。島田紳介がいない今、ほんと数少ないと思う。
頭の回転がよくなきゃいけないし、何よりも収録中は周りのこと、さらにはブラウン管の向こうの視聴者のことを考えて、いかにお笑いに転化させるか。そればかりに熱中してるんだろうな。

ベッキー騒動の時に「休んだらあかん。プロなら何としても」って言ってた話も印象的だ。タレントはそれ自体を売り物にしてるんだから、少々の批判はどこ吹く風って、仕事は仕事って割り切ってするべきだって。たぶん相方の浜田が愛人問題でもめた時に、謝罪会見させてそれさえもいち早くギャグに変えて乗り切ったこともあっての意見だろうな。仕事は仕事。プライベートはプライベート。休んだらあかんわな。
以前亀田興毅が同じように「俺ら全部売ってナンボやもん。だから批判とか全部受け止めるよ。気にセェヘン。飴ちゃんと一緒で買ったやつがうまいとかまずいとか批判するのは当たり前やと思てるもん」って言ってたのわかる気がする。ベッキーはプロに徹せられへんかったんやね。
ベッキーに休んだらあかん発言の際にちょこっと言った一言が印象的。「だって笑いを取りに行かんでいいんでしょ」
せやね、ベキーって別に笑いのとれる面白いコメントや、なるほどってうんちくコメント語るキャラじゃないもんね。

世の中には批判家もどきの奴もいっぱいいる。
たいした見識も、造詣も深くないのに思いつきで批判や批評をして悦に入ってる人。SNSにはそんなのがあふれてる。
テレビタレントでもそう。事前に仕込んだ薄っぺらな知識だけで語る。本を批評するなら最低1000冊は読んでほしいし、少なくともそのジャンルの本にはかなりコアなところまで知っててほしい。映画でも1000本くらい見てから批評してほしい。何を基準に面白いとかつまらないとか言ってるのかわからないから。
教育評論家の尾木ママとやらがそう。ジャンル違いのところのことまで批評批判するんだが、ことごとくずれてる。そして最後には子供をダシにして締めくくる。もうこいつテレビに出すなよって言いたくなる。

清原騒動もそう。野球界はもちろん騒然。往年の選手から同期、後輩から現役まで衝撃。各界著名人もコメントを出してた。だけど違和感があったのが桑田と尾木ママ。桑田のコメントは、いかにも友人の振りをした他人事のようだった。考えてみりゃドラフトの時清原を裏切ったのは桑田だ。清原との友情はそこで終わってたはずだものな。
尾木ママはもっとひどい。トンチンカンなコメントの最後が「野球少年の夢を」だって。今の野球少年は清原の高校野球での凄さ、現役での活躍しらねぇって。イチローや大谷やマー君やダルビッシュ有、藤浪とか中田とかだろよ。
松本はちょっと違う。TV露出が少ない清原を、多分SMAPの中居君に頼まれたからだろうけど、ダウンタウンなうで登場させた。その中でわざわざ「薬物はやってないの?」って質問までして「風邪薬はやりましたけど、やってないです」みたいな会話で潔白を語らせたのにな。
信じてたし、そのウソが我々に対してもスタッフに対しても視聴者に対してもバカにしてるのかっていうね。この罪は、覚せい剤よりも重い。本当に良くないと思う。

さらには「ワイドナショー」でもブログの指差して笑ってる奴をしばきたいが我慢して灰皿叩き割った事件のことを、スタジオに呼んで語らせた。(今考えるとあの事件自体が覚醒剤中毒による被害者妄想だったんだろうけど)
松本は「テレビに出て『覚せい剤やってます』と言えないのはわかるけど、なら、なんで出てたきたのか、という。ギャラもらって、テレビを舐めているのかと思う。いっぱいの人に迷惑をかけているから」

同情や呆れるだけなら誰でもできる。
でもTVという媒体に出演することの責任論とかまでコメントしたのは松本くらいじゃないか?

松ちゃんは体を鍛えている。かなりのビルダーだ。なんでそんなに鍛えてるのとの質問に「リポビタンDからのCM出演依頼を待っている」って。

厳しい山を登ってるAとB。二人とも筋肉質。Aが滑落しそうになる。Bに繋がれてるザイルがAの危機一髪を救う。BがAに声をかける「薬やめたか?」Aが答える「今度はもちろん」。Bが言う「じゃぁ踏ん張って登ってこい」。「ファイトー」「イッパーツ」。二人して登頂に成功。Aが清原、Bが松っちゃんでどや?大正製薬さん。

実際は清原に垂らされてるのはザイルじゃなくて蜘蛛の糸だけれどね。そこに飛鳥、酒井法子、小日向なんとか、田代まさし、清水健太郎、他が群がってる。上りきれるかな。

サザエさんをあらためて読む

2016-02-07 02:29:30 | BOOK/COMICS
サザエさんは国民的漫画と呼ぶにふさわしい漫画。
ドラえもんでも、ちびまるこちゃんでもなく、サザエさんだと思ってる。
文庫本版全45巻。サザエさんをあらためて読んでみる。
連載開始時(1946年=昭和21年)は戦争が終わってようやく人々が普段の生活を取り戻すのに必死だった頃。
連載当初はどこに住んでるのかが書かれてないが、5人暮らしだ。マスオさんももちろんタラちゃんもいない。作者の長谷川町子さんが福岡に疎開してたせいか、どこかの都会だろう。23歳のサザエさんが妙にモダンガールな格好をしている。(友人も)サザエさんは出版社に働きに行くくらいだから教養もあるのだろう。パーラーに寄ったり人よりはちょっといい生活してるみたいだ。家に風呂もあるし庭もある。波平さんの転勤が決まって一家で東京に引越し。
一度休載して朝日新聞で連載再開した途端、マスオさんとは結婚してるしタラちゃんも産まれてる。馴れ初めがよくわからんが、最初は実家の近くに別の家を借りてる設定だ。

驚くのは波平さんの年齢だ。54歳。もっと老けてるように見えるのはあの頭のせいか?カツオが11歳でワカメが9歳ってことは43とか45の時の子供。フネさんが48歳(アニメでは52歳)だから、どちらにしても高齢出産。
大体昔の漫画ってのはこの年齢設定がいいかげん過ぎる。バカボンのパパが41歳ってどうよ。北斗の拳のケンシロウが18歳、星一徹が33歳ってわかった時の衝撃。知らない間にその年齢を超えてしまう怖さ。
SMAPの中居くんがスポーツ新聞で、ついに現役選手で自分の年齢より上の選手がいなくなった。それどころかラミレス監督と高橋由伸監督が自分より若いことにもショック。って書いてたが気持ちわかる気がする。

話をサザエさんに戻すが、戦争が終わってすぐだから、内容は結構やばい内容も多い。今なら自主規制とやらで掲載されないだろうな。
戦災孤児、満州引き揚げ、軍人恩給、配給、闇米、合成米、乞食、押し売り、浮浪者、捨て子、帰還兵。
中国から引き揚げてきた学生が延々と毛沢東の教えを喋ったり、中共の集会にマスオさんと波平さんが行ってたり、屋根の修理をお願いしてた職人二人が今度の選挙で自由党に入れるか共産党に入れるかでもめて決別して仕事ほっぽりだして帰ってしまったり。

新聞連載漫画なんだから風刺があって当たり前だし、当時の生活が描かれてて当たり前なんだけど、こうやって改めて読むとすごいな。
これは昭和の戦後庶民史だわ。
戦争反対論者、賛成論者。共産主義、社会主義論者、自由人権主義者、変な民俗学や近代歴史学よりサザエさんを読む方がよっぽどわかる。
貧しいけれど助け合い、裕福じゃないけど幸せな家庭、アクシデントも笑いに変える。当時の理想だったんだろうな。

アニメのサザエさんもいっその事期間限定でいいから連載当初の時代設定のやつやってくれないかな。
蚊帳、洗濯板、火鉢、箒とハタキ、薪風呂、扇風機、電話は隣に借りに行く、酒屋や魚屋は御用聞きに来る。スマホもエアコンもパソコンもテレビも洗濯機も電子レンジもない時代。
自分だけがよければいい。家族なんか関係ない。人との関わり合いを持ちたくない。スマホとSNSがあればそれでいい。平和ボケした日本人にカツが入れれる気がするんだが。それとも時代作だって一笑されておしまいか。その前にクレーマーたちが一気に責め立てるかもしれないな。