猫じじいのブログ

子どもたちや若者や弱者のために役立てばと、人権、思想、宗教、政治、教育、科学、精神医学について、自分の考えを述べます。

東日本大震災10年目の3月11日、被災地は復興したのか

2021-03-11 22:45:06 | 社会時評


きょうは東日本大震災の3月11日から10年目である。きょうのテレビではその記憶を忘れないように映像を流している。しかし、東北の復興は進んだのかというと私は複雑になる。とくに、私は被災地に住んでいないので、状況がよくわからないのもあるが、報道からは復興がうかがえないのである。

道路が復旧した、橋が復旧した、常磐線が福島の帰還困難区域をつらぬいて宮城県の岩沼駅までつながった、巨大な防潮堤が出来上がった、住宅地のかさ上げが終了したといっても、テレビで見る被災地の街には孤立した巨大な公共施設しかない。

田畑には瓦礫がまだ残っているのだろうか。土にしみ込んだ塩害は取り除かれたのだろうか。農業や牧畜は再開できたのであろうか。港では漁船がいままでのように水揚げをし、水産加工業が昔のように にぎわっているのだろうか。心配になるばかりである。

何か、東京の官僚が机上で考えた復興プランは、東京の土木建設会社を潤しただけではないか。私を含めて日本国民は、東北復興のために、復興特別所得税を払っている。日本政府は、大震災からの東北の復興事業にこれまで32兆円を注いだという。被災地の人たちの生活の復興に役だったのだろうか。これからも、政府は国税を使って復興事業を続けていくという。

本当に東北の人たちのためになっているのなら、それでいいのだが、単に復興事業に群がる大企業だけが焼け太るなら、東北の被災地から、オカシイという声を挙げて欲しいと思う。

☆☆ 過去のブログから ☆☆
2012/3/11(日)
昨年の4月のNHKの「こころの時代」で

「友人から送られた写真の、
報道されない写真の、
あたりいっぱいに浮かぶ死者たちにわたしは言葉を失う、
混乱に乗じて金儲けをはかる輩だけは出してはならない」

宮城県石巻市出身のジャーナリスト、辺見庸が、怒りながら、そう言っていたと私は記憶している。

昨年の秋から、カネに群がる人々で仙台市の夜がにぎあうという。
がれき処理がすすんでいないという。
仙台市の夜がにぎあうのは、新聞によれば民間企業の施設の復旧工事だという。
割りのいい仕事に人が群がるから、東北で、例年の雪を捨てる作業に人が集まらないという。

2014/8/22(金)
3年前の東日本大震災の後、気仙沼のカトリック教徒の山浦玄嗣(やまうらはるつぐ)は、NHKの「こころの時代」の番組で次のように言った。

「すべてを失って、今、すがすがしい朝を迎える。
自然は、今までと同じく、いや、それ以上に美しく、よみがえる。
神は、人々を罰するために、地震と津波をもたらしたのではない。」

私は、あまりにも素晴らし言葉に涙した。しかし、どうして、山浦はそんなに強いのだろう。私だったら、そう言えるだろうか。山浦は愛するものを失っていないのか。家財を失っていないのか。それとも所有することに頼らない、人間への信頼にもとづくコミュニティが周りにあるのだろうか。

2014/9/7(日) 
昨夜、NHK ETVで「農の夢よ、よみがえれ~若きビジネスマンと被災農家の1050日~」の再放送をやっていた。東日本大震災で津波で塩害をうけた宮城県亘理町(わたりちょう)のイチゴ農家の再生へのドキュメントである。

被災農家が、京都の農業ベンチャー、西辻一真のアイデアで、塩害に強い加工用トマトの栽培を始めたが、昨年は天候不順でトマトが立ち枯れ、新たな試練をむかえた、という所でドキュメントは終わっている。今年は、東北の梅雨は長く、晴れた日のない夏であった。私は気になる。今が非常に気になる。このドキュメントをずっと続けてほしい。

2017/10/15(日) 午後 9:59
今日、NNNドキュメント『「放射能とトモダチ作戦」 米空母ロナルドレーガンで何が?』の再放送をBSで見た。
2011年の東日本大震災に救助に向かった米空母ロナルドレーガンの乗員たちが、福島原発メルトダウンに伴う放射能の雲(プルーム)で被ばくし、その後遺症に悩む400人が東京電力を相手に集団訴訟した。その数人に、被ばくしたときの状況やその後の症状などを、インタビューしたドキュメント番組だ。
日本の大震災被害者への救助に向かった善意の米兵たちを日本人が見殺しにしていいものかと思った。


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