猫じじいのブログ

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帝国主義とは何か、ハンナ・アーレント

2024-01-05 12:40:27 | ガザ戦争・パレスチナ問題

ハンナ・アーレントは、近代の「帝国主義」の特異性を『全体主義の起源』(みすず書房)で与えている。古代の「帝国主義は」は異民族の征服が目的だったのに対し、近代の「帝国主義」は過剰資本の輸出が目的だったと言う。

彼女は言う。

「帝国主義時代とは通常1884年から1914年にいたる30年間を指しており、それは、”scramble for Africa”(アフリカ争奪戦)と汎民族運動の誕生とをもって終わる19世紀と、第1次世界大戦で始まる20世紀とを分かつ時代である。」

純経済的理由で始まったが、帝国主義国家群の競争が世界大戦に行き着いたと言う。

そして、帝国主義国間の戦争は、大量の失業者、難民、無国籍者を生んだ。その世界の不安定化が、第2次世界大戦後まだ続いていると言う。

じっさい、ユーゴスラヴィアの解体に伴う戦争、ソビエト解体に伴う戦争、イスラエル・パレスチナ戦争が起きている。

アメリカは、第2次世界大戦後も帝国主義国として、軍事力に守られて過剰資本を世界に輸出しており、近年急激に経済成長した中国を、市場としてでなく、競争相手すなわち敵国としてののしっている。

残念ながら、第1次世界大戦による世界史のねじれは、アーレントが死んだ今も、回復していない。



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