けさの朝日新聞に『核ごみ文献調査 賛同の佐賀・玄海町議は』という記事がのった。玄海町の町防災対策協議会が、みずからの町を核廃棄物の最終処分場に、と町議会に請願したという。
最終処分場推進派は「原発立地自治体として、責任は果たさないといけない。全然、関係ないところに処分場をつくるわけにはいかん」「玄海原発の立地の安全を再確認するためにも、文献調査で地質を把握することが必要」と言う。
いっぽう、玄海町は地下に石炭があり、国の公表した「科学的特性マップ」ではほぼ全域が最終処分場に好ましくないと分類されている。核廃棄物は発熱するから、地下に石炭がある場所は好ましくないのだ。
ところが「今、町内で表だって原発反対の活動に参加できるのは2、3人だけ」という。「町防災対策協議会」とは町旅館組合、町飲食業組合、町内の建設業者11社のつくる任意団体である。
この記事を読んで、玄海町はすでに崩壊しているのではないか、と私は思った。町には農業をやるものがいないのか。町には商店がないのか。町には子どもがいないのだろうか。原発臨時労働者を当てにした旅館業、飲食業、原発マネーによる公共建設や原発の核燃料の入れ替え時の清掃に依存した土建業が、町で幅を利かしているのだろう。ヤクザが町を支配しているのかもしれない。
原発立地自治体が核廃棄物を引き受けるということ自体は、ありうる論理だと思う。しかし、原発を稼働するかぎり、核廃棄物は増え続ける。したがって、最終処分場は、これでごみはおしまいとして封印することができない。常に、核のごみが持ち込まれる。そのために、処分場はどんどんと広げる構造になり、脆弱性(ぜいじゃく)なものにならざるをえない。
「町防災対策協議会」はそんなことに無頓着なのだろうか。文献調査申請で20億円をもらっても、国が玄海町に最終処分場を作るはずがないとたかを括っているのだろうか。
資源エネルギー庁は、玄海町議の退廃に厳しく対処すべきである。
国としては、ドイツのように原発の稼働を止めて、強靭な最終処分場を建設すべきである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます