9月11日の朝日新聞で、英国がEUからどう離脱したいのか、EU側からは理解できないという記事があった。私もよくわからない。解説して欲しい。
わかることは、保守党のボリス・ジョンソン首相が孤立しているということだけである。保守党内でも反乱が起きており、ジョンソン首相側の動議自体が議会ですべて否決されている。ジョンソン首相が英国議会を1ヵ月閉鎖するのは違法であるとの裁判所の判決もでた。最高裁の判決は来週だというが、最高裁でも違法となれば、ジョンソン首相はどうするのだろうか。
英国がEU離脱是非の国民投票を行ったのは、2016年6月24日である。離脱支持が51.89パーセントで、残留支持の48.11パーセントに勝った。
離脱支持が勝ったのは、ブレイディみかこは、貧困層の白人の怒りがEU離脱に走ったからと分析する。
EU離脱支持はイングランド地域に集中し、スコットランドは残留支持が集中する。スコットランド人は、貧困の怒りをイングランド人に向ければ良いが、英国の主流を自認するイングランド人は、貧困の怒りを英国内の誰かにもって行きようがなく、EUにもっていったということだ。
貧困層の白人の怒りがEU離脱に走ったとの分析が本当だとすると、EU離脱か残留かの問題ではなく、貧困を解決するしかないように見える。EUを離脱しても景気は良くならないし、EUに残留しても景気は良くならない。景気は政治で浮揚できるものではない。すると、景気の浮揚ではなく、赤字覚悟での貧困対策しかない。
だとすると、EU離脱で3年間も身動きできなくなっている英国議会は何を狙っているのか、さっぱりわからない。貧困の怒りを、ルールにそった争い、伝統的な議会制度で吸収するために、選挙にでるしかないのではないか。そして、合意なきEU離脱をしようとも、EU離脱が永遠の未来に延期されようとも、どうでもよいのではないか。
モノや金や人が国境を越えて自由に移動できることは理想だが、現実は、ヨーロッパ内のことであり、アジアや中東やアフリカやアメリカを含んでのことではない。それに、理想は、経済的不満を解決できない。
だから、EUを離脱してみて、それがひどい選択だと思ったら、EUに復帰すればよいのではないか。
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