サン・サーンスの代表的名曲の一つです。
今シーズンのフィギュアスケートで、安藤美姫選手がSPの演技曲に使っています。
テレビでご覧になった方も多いでしょう。
エキゾチックな雰囲気の安藤選手にぴったりで、
昨シーズンの「シェヘラザード」もそうでしたが、
彼女はオリエンタルなテーマで滑るとしっくりきますね。
肩の故障もあり本調子でないということですが、
女王の風格を漂わせ、安藤選手が登場すると
ほかの選手にないものを感じます。
弱冠19歳ながら、いろんな経験をして女王になったからでしょうか。
大人の女性の演技ですね。
バッカナールとは酒神の”バッカス”からきています。
このサムソンとデリラは旧約聖書の物語を歌曲として作曲したもので、
この曲はその中の曲ということです。
曲調はヘブライ的旋律と、躍動的な旋律で構成されています。
よくある形式で急・緩・急という形式で曲はまとめられており、
聞く人を飽きさせません。
冒頭のオーボエのソロ(カデンツァ)で始まり、2つの主題が交互に現れ、
情緒あふれるやさしい緩やかな部分をはさみ、
最後はヘブライ的旋律を高らかに歌い上げ、激しく加速しながら曲を終わります。