名声を恣(ほしいまま)にして、一世を風靡した才女も、声を掛けられる機会が、しだいに遠のいて行く。憐憫よりも共感。
ひらかなy139:ひきしおに さがしたけれど もうだめね
いきがいひとつ みあたらないの
ひらかなs1714:しほのまに よものうらうら たづねれど
いまはわがみの いふかひもなし
【略注】○いふかひもなし=(言う貝/甲斐もなし)言っても仕方がない。生き甲斐(という
名の貝)も、すっかり無くなってしまっている。
【補説】無常。現代詠 055(09月10日条)必見。ここでは「岸」の「し」音を使っている。