長い詞書があって、百首受付の源家長へあてて、せめて後鳥羽院の目に触れさせてほしい、と詠ったもの。
ひらかなy146:こんなにも きもちをこめて よむうたを
とりあげみせて ささげてほしい
ひらかなs1775:かきながす ことのはをだに しずむなよ
みこをかくても やまかはのみず
【略注】○かき流す言の葉=「(葉を)掻く」「(言葉=和歌)を書く」。以下、作品
全体が縁語・類語・掛詞で満たされ、その見本のようなもの。
○藤原行能(ゆきよし)=伊経の子。詠み上手、能筆。歌を後鳥羽院
(上皇)に上げたところ、まもなく北面(ほくめん)、つまり上皇の御所
担当高官とされたという。入集この一首。