悠山人の新古今

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140 朝夕に白露

2006-01-10 11:40:00 | 新古今集

 庭の草花を見るたびに、あの方のことがつい思い出されて・・・。依拠本にはないが、当然白露に涙が暗喩されると見る。現代詠では軽くなっている。
 ひらかなy140:あさゆうに しらつゆだけは かわっても
          あるじのいない あきはかなしい
 ひらかなs1720:しらつゆは おきてかはれど ももしきの
          うつろふあきは ものぞかなしき
【略注】○ももしきのうつらふ=(百敷の移らふ) 百敷は皇居、宮中。「うつらふ」は
    代わる、変わる。合わせて、天皇が代わる(退位、死去で)。
    ○置きて=旧かなで「おく」は、置・奥・億・憶・臆・起、「をく」は屋・招など。
    「お」「を」の書き分けは、古人にとっても間違えやすかったひとつ。余談なが
    ら、そのかみ、言語学の一時限目が上代言語の、例の十三音であった。
    ○伊勢=悠 065(09月24日条)既出。この歌は、寵愛を受けた宇多天皇の
    退位(897年秋7月三日)から、間もなくの作。
☆暴戻圧主(boreas)退散。
☆先日のかるたクィーンに高校生が二連覇。昔の別冊太陽「百人一首」を見ると、かるた競技史に「愛国百人一首」が登場する。このごろ「愛国心」がしきりに大きい活字で目立つようになった。短歌人には関係ない(わ)よ、と思っている皆さん、有名な歌人たちがどれほど戦争讃歌(短歌で参加)していったのか、いつか来た道にならないように・・・自戒も込めて。(このブログの9月14日に資料あり)