2007-0726-yts408
子午線の宿より透かし見る月は
急ぎ細りてピュラミスに入る 悠山人
○短歌写真、詠む。
○トルコからエジプトへ舞い戻る。成田からカイロへ降り立ったとき、ライフルを身に着けた男たちが何人もいて、緊張したが、どういうわけか、イスタンから地中海を一跨ぎしたら、ずいぶん閑散としていて、拍子抜けした。エーゲ海の畔で満月を見てから、もうこんなに痩せたのか。ピュラミス(ピラミッド)は画面の下方向になる。
¶子午線の宿=ホテルの名。入口銘板には「Le Méridien pyramids」。注釈不要の作歌を心がけるべし、と心のどこかに聞えて来たが、たまたま晶子・鉄幹の芝居が、間もなく明治座にかかるのを思い出した。分かり易いところで、例えば彼女が夫を慕って、はるばる巴里まで行ったときの、たくさんの歌群。背景を知らないで、ただ三十一文字だけで歌を理解しようとすると、かなり無理が生じる。
□短写408 しごせんの やどよりすかし みるつきは
いそぎほそりて ピュラミスにいる
【写真】月だけをズーミング・アップさせた。朝六時半ごろ、カイロ郊外のギザで。
ET49
2007-0726-yhs134
汐留の
浜にそよぎて
白き木綿 悠山人
○俳句写真、詠む。
○いま、「シオサイト」と洒落る汐留。浜木綿の傍らで、一日潮風に吹かれる。
¶浜=「汐」の縁語であり、「木綿」の頭へ繋げて花名。
□俳写134 しほどめの はまにそよぎて しろきゆふ
【写真】梔子と一見同質の花びら。近くで若い母が長い時間、幸せそうに娘のモデル撮影をしていた。先日。