悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

俳句写真141 夏蝉の

2007-08-22 00:05:00 | 俳句写真
2007-0822-yhs141

夏蝉の
短き節も
終はらんか   悠山人


○俳句写真、詠む。
○みんみん蝉とあぶら蝉の合唱も、まもなく終わる。
¶夏蝉=旺文版『古語辞典』になし。岩波版『広辞苑』には、見出し語「なつぜみ」に、「主としてニイニイゼミをいうが、広義にはアブラゼミなども含めた総称。」と説明し、『宇津保物語』の用例を載せる。私は清音としたい。
¶節(ふし)=「短い時間」。古語では、「ふし」と「よ」の読みがある。「よ」と読めば、「世」「代」に通じる。

□俳写141 なつぜみの みぢかきふしも をはらんか
【写真】同前、ハーブ園。

短歌写真436 さるほどに

2007-08-21 02:00:00 | 短歌写真
2007-0821-yts436
さるほどに暑がはしきも去りぬらん
七星をみなのすばる見ゆれば   悠山人

○短歌写真、詠む。
○余りにも異様な高温列島日本。でも、オリオンに代わって昴(すばる)が見え始めると、暑さも遠のくはず。
¶暑(あつ)がはし=暑苦しい。旺文版には「あつ(暑)かはし」だけだが、三省版には、「あつい・あつさ」の見出語の下に「あつ(暑)かはし」があるほか、補助見出し「蒸し暑い」に、「あつ(暑)がはし」が載る。この場合、音の清濁でどこまで用法が変わるのか、三省版は出典を示さないので、分からない。
¶¶七星(ななほし)をみな=七星(昴の別名の一つ)は、ギリシャ神話では、七人の女性が当てられている。
¶すばる(昴)=プレヤデス Plejades 星団。中心にM45。日本でも「冬はすばる」などとして、早くから有名だった。なお、煩わしいから詳論しないが、「プレヤ~」「プレイア~」は、両方とも正しい。
短写436 さるほどに あつがはしきも さりぬらん
        ななほしをみなの すばるみゆれば
【写真】風林火山の旅で入手した、いわゆる貴石を、昴に見立てた。黒無反射紙へ数回、ランダムに落として撮影したものから。

俳句写真140 夏の日に

2007-08-21 01:50:00 | 俳句写真

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夏の日に
まかがやきたる
ウェヌスかな   悠山人


○俳句写真、詠む。
○日曜日のハーブ園。猛暑でも、首都圏の観光客で、大賑わい。しかし小さなグレコ・ローマン庭園は、あまり人気がない。ギリシャ神話のアフロディテは、ローマではウェヌス(英語風にはヴィーナス)。
¶まかがや(真輝)く=とても美しい。

□俳写140 なつのひに まかがやきたる ウェヌスかな
【写真】先日、ハーブ園で。


短歌写真435 夢いまだ

2007-08-20 01:20:00 | 短歌写真

2007-0820-yts435
夢いまだ醒めやらざりしかんばせの
なほにほはしき花於久良かな   悠山人

○短歌写真、詠む。
○花オクラ。一日どころか、早朝からわずか半日の花である。五弁が正確に重ね巻きの、漏斗状になって咲く。レンズを近づけると、心拍が高まるほどの美しさである。姿を愛でたあとは、さっと湯掻いた湯葉仕立てで賞味する。「夢去りぬ」の曲の印象と合わせた。cf.短歌写真2005-0810遠つ時 2005年08月10日。
¶にほ(匂)はし=「美しい」。三省堂版『現代語から古語を引く辞典』からの初引用。以後、三省版『逆引き古語辞典』とも略す。
¶¶花於久良(はなおくら)=通称花オクラ Okra に、万葉仮名を組合わせた、私の歌語である。
短写435 ゆめいまだ さめやらざしり かんばせの
        なほにほはしき はなおくらかな
【写真】花漏斗が青空に負けて暗化するので、ストロボを同調させる。昨朝、自宅菜園で。
【memo
】二、三日前、夢の中で「♪夢、夢ならば」の曲が流れ出した。起きてから調べると、「夢去りぬ」という題で、「♪夢いまだ醒めやらぬ・・・」という歌い出しであることが分かった。電網検索しているうちに、この曲がかなり数奇な運命を辿ったことも、合わせて知ることになる。真夜中、二時間ほどがあっという間に過ぎた。さすがにそれ以上の追跡を断念する。いま、この記事は、その電網midiカラオケを流しながら、書いている。もう百数十回は繰り返していよう。


短歌写真434 武田なき

2007-08-19 03:40:00 | 短歌写真
2007-0819-yts434
武田なきあとを治めし徳川も
甲斐の府中を篤く護りぬ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○風林火山の旅は続く。武田氏滅亡のあと、甲斐府中(縮めて甲府)を支配したのは、徳川氏。明治新政府誕生まで、ほぼ江戸徳川幕府の直轄であった。領国争いの要衝でありながら、戦国時代から主戦場にはならなかったが、そういう所は余り多くない。第二次世界大戦末期に、米軍機による無差別絨毯爆撃を受ける(1945年7月6日深夜)まで、甲府は小江戸の雰囲気を色濃く残していた。
短写434 たけだなき あとををさめし とくがはも
        かひのふちゅうを あつくまもりぬ
【写真】甲府城はさらに、近年の研究成果を踏まえて、長期計画で復元が進んでいる。

短歌写真433 人の世に

2007-08-18 00:10:00 | 短歌写真
2007-0818-yts433
人の世に未来ありやと問ふわれに
応ふるもののなきぞ寂しき   悠山人

○短歌写真、詠む。
○ある金属モニュマンを見上げているうちに、人の技・業は、もしや、ひたすらバベルの塔を目指しているのではないか、との想念が湧く。「未来」は古語辞典にも載る。はじめ、仏教観の三世(さんぜ)にこだわったが、この形に落ち着いた。
短写433 ひとのよに みらいありやと とふわれに
        こたふるものの なきぞさびしき
【写真】同前、孺子像近く。出発直前だったので、作品名・作者名も主題も、確認していない。

image399 影絵風の朝顔

2007-08-18 00:00:00 | images

2007-0818-yim399
title : aSilhouette-likeScene
yyyy/mm : 2007/08
memo : 前出「ぷらざ七里」で。Especially from Edo era, Japanese in general like to grow the morning glories,
and show them each other. As you see in this phto, many Japanese love these flowers under the g;lass-made wind bell, simple airy room. It is just popular lyricism of this country in the summer. 


短歌写真432 やまとてふ

2007-08-17 04:40:00 | 短歌写真
2007-0817-yts432
やまとてふ歌の道にぞ入りたるに
ひと葉ふた葉のかけらさへ見ず   悠山人

○短歌写真、詠む。
○五千円紙幣への採用、市町村合併などもあって、樋口一葉所縁の地(両親の故郷)に、「一葉の里コース」なるものが、最近整備されたようだ。流るるがごとき文をものせし夭折作家。われ、膝下の石塊にさへ及ばず。
¶ひと葉ふた葉=一葉二(双)葉。「葉の一枚」と「樋口一葉」、「葉の二枚」と「赤子のような双葉」とを、それぞれ掛ける。さらに序数を組合わせる。
短写432 やまとてふ うたのみちにぞ いりたるに
        ひとはふたはの かけらさへみず
【写真】同前。

俳句写真139 猛暑日も

2007-08-17 04:30:00 | 俳句写真
2007-0817-yhs139

猛暑日も
いづれ彼方へ
消ゆるべき   悠山人


○俳句写真、詠む。
○まだまだ残暑。次回発行される季語辞典には、「猛暑日」が登場か。とうとう、観測史上、最高気温が出た。
□俳写139 まうしょびも いづれあなたへ きゆるべき
【写真】先日、自宅で。
【memo1】amicable number:私が愛用していた pw の数字部分に、「220 284」がある。昨日の韓国ドラマ(日本語版)に、ちらっと「友愛数」という言葉が出て来た。英語では amicable number。数学には、いまだにアポリア(解決不能の難問)というのがいろいろあって、これもその一つ。前掲の3桁自然数のペアは、最小友愛数として覚え易いので、数学愛好者の間ではよく知られている。
【memo2】Les Frères:偶然に途中から見た「徹子の部屋」に、「レ・フレール」という芸名の日本人兄弟が出ていた。オリコン18位とかの、若い pianists である。二人で座っている姿は、別にどうということはない、ありふれた若者たち。しかし、ひとたびピアノに向かう(一台での連弾)を見て、私は完全に打ちのめされた。司会者も卒倒せんかとばかり。CD発売記念での出演らしいのだが、ルクセンブルク(リュクサンブール)修業のこの青年たち、その成長がとても楽しみである。

短歌写真431 押し並べて

2007-08-16 03:30:00 | 短歌写真
2007-0816-yts431
押し並べて幼き子らよおだやかに
過ぐせるときの長からましを   悠山人

○短歌写真、詠む。
○八月は重い。せめて十五日だけはと、私は長年、すいとん食にし、心静かな一日を過ごそうと、努めている。
短写431 おしなべて をさなきこらよ おだやかに
        すぐせるときの ながからましを
【写真】同前。少し離れた、JR駅前で。作者名なし。