悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
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日本初→源氏歌集全完了!

短歌写真430 屠られし

2007-08-15 00:55:00 | 短歌写真
2007-0815-yts430
屠られしあまた同胞忘られて
またも軍靴の高鳴り聞ゆ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○途中で立ち寄った無人の小施設「ぷらざ七里」に、二十鉢ほどの朝顔と、三十個ほどの風鈴だけが、迎えてくれた。「またも」は、厳密には以前の経験・体験のうえに成り立つわけだが、ここでは映像その他での作者の追体験を、重ね合わせる。平和祈念日連作第三歌。
短写430 ほふられし あまたはらから わすられて
        またもぐんくゎの たかなりきこゆ
【写真】同前。短冊の表裏に、「風林火山」「風鈴塩山」とあった。猛暑日。

短歌写真429 かの日より

2007-08-15 00:50:00 | 短歌写真
2007-0815-yts429
かの日よりむそふたとせをへぬれども
まかりしものぞなほさまよへる   悠山人

○短歌写真、詠む。
○風林火山号の旅。ある店先で猛暑を避けながらの作歌。平和祈念日連作第二歌。
短写429 かのひより むそふたとせを へぬれども
        まかりしものぞ なほさまよへる
【写真】昨日、風林火山号の旅先で。

短歌写真428 いく百の

2007-08-15 00:45:00 | 短歌写真
2007-0815-yts428
いく百のよろづの民のほね踏みて
けふのわれありけふのなれあり   悠山人

○短歌写真、詠む。
○ダーリア。天竺黄牡丹(てんじく きぼたん)。これを含めて、わが家の花花には、喬性(高性)種が多い。しかも多くは改良したものなので、足腰が弱い。きょうは六十二回目の平和祈念日(敗戦記念日)。平和祈念日連作第一歌。
短写428 いくひゃくの よろづのたみの ほねふみて
        けふのわれあり けふのなれあり
【写真】先日、自宅で。

短歌写真427 白百合の

2007-08-14 03:00:00 | 短歌写真
2007-0814-yts427
白百合のととせははるか離れしに
咲けるすがたの指をりて見ん   悠山人

○短歌写真、詠む。
○この花、土を選ばないらしく、屋敷や菜園のどこにでも咲く。
短写427 しらゆりの ととせははるか はなれしに
        さけるすがたの ゆびをりてみん
【写真】先日、自宅。

短歌写真426 日に熱く

2007-08-13 05:00:00 | 短歌写真
2007-0813-yts426
日に熱く水惑星の成りゆくも
松毬菊はただに咲きをり   悠山人

○短歌写真、詠む。
○ルドベキア・タカオ Rudbeckia Takao。松毬菊(まつかさぎく)。1985年の8月12日、日航機墜落、520名全員が死亡。地球(水惑星)の温熱化は、専門家の予測を超えて、加速中。気象庁は先ごろ、「猛暑日」という範疇を新設した。夜半から、内玄関の鈴虫、初鳴き。
短写426 ひにあつく みづわくせいの なりゆくも
        まつかさぎくは ただにさきをり
【写真】昨日、自宅。白蝶草も松毬菊も、乱れ咲き。

短歌写真425 彼岸より

2007-08-12 02:40:00 | 短歌写真
2007-0812-yts425
彼岸より待ちきれざるか群れ乱れ
暁月夜に白蝶の舞ふ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○伸びるがまま、咲くがままにさせておく、白蝶草。ことしはいつになく花を着けた。このところ連日の、盆帰省者の渋滞報道が、この花の乱れ咲きと重なった・・・。仏教観に託した作品。
¶暁月夜(あかつきづくよ)=昨8月11日は、「暁月」(既出「こよみのページ」による)。「暁月夜」は『広辞苑』による。
¶白蝶(はくてふ)=夜中の白蝶草を、精霊(しゃうりゃう→しょうりょう)に擬す。なお白鳥草は誤り。白鳥の歴史仮名は「はくてう」。電網情報で、混乱が見られる。
短写425 ひがんより まちきれざるか むれみだれ
        あかつきづくよに はくてふのまふ
【写真】日中の写真を、PC操作で夜に見立てた。きのう、自宅で。

短歌写真424 芝蘭と

2007-08-11 01:15:00 | 短歌写真
2007-0811-yts424
芝蘭と聞きたる花の電網に
見えざりしかばたれぞなが名は   悠山人

○短歌写真、詠む。
○珊瑚樹の開花も気がつかないまま結実。芝蘭もあっという間に花から実へ・・・と思って、念のため電網で調べたら、「芝蘭」がない。紫蘭よりはずっと価値がある、という出入り植木職の言を信じていたのだが・・・。あるいは、私の記憶違いか・・・。
短写424 しばらんと ききたるはなの でんまうに
        みえざりしかば たれぞながなは
【写真】きのう、自宅で。夕刻、散水直後の水滴あり。美的 aesthetisch とは程遠い写真。
【memo】(後日記) 薮蘭(やぶらん)。リリオペ(Liriope muscari)。斑入薮蘭(ふいり~)。熨斗目蘭(のしめらん)。百合科。

短歌写真423 風鈴の

2007-08-10 03:30:00 | 短歌写真
2007-0810-yts423
風鈴のひと鳴りごとに夏去にて
亥の年ゆゑか時のときたる   悠山人

○短歌写真、詠む。
○憲法を改「正」する、と叫び続けている最高権力者が、憲法を順守する、などと挨拶した。(長崎の平和式典を実況視聴) 心の中に空しい風が吹いた。同じ風でも、鈴をならず風なら、と。
¶去(い)ぬ=活用は「自ナ変」。<ナ行変格活用の同士は「死ぬ」「往(い)ぬ」の二語だけ。>と『古語辞典』。すっかり忘れていた。「時」と「疾き」で、掛詞というよりは、言葉の遊び。
¶と(疾)きたる=「疾し」を終止形とする、ク活形容詞。
短写423 ふうりんの ひとなりごとに なついにて
        ゐのとしゆゑか ときのときたる
【写真】きのう、自宅で。午後、風やや強し。桔梗の前に風鈴をセットして撮影。超接写なので、かなり難しい。しかも、風鈴を透かして桔梗を、と欲張った。なおこれは先日、M社からの頂き物。

短歌写真422 神の名に

2007-08-09 02:00:00 | 短歌写真
2007-0809-yts422
神の名によりて落せし火の玉を
なほ義とせるはなぞやなぞなる   悠山人

○短歌写真、詠む。
○「信仰」と「理性」は、あまり相性がよくない。一瞬にして homo sapiens を、数万、十数万単位で消滅させたのは、人類史上、広島・長崎が最初であり、その後はない。この行為・事実を、どう考えるか、どう見るかは、六十二年経った今でも、決着がつかない。どうしても、神知か人知か、というアポリアを乗り越えられないからである。ホモ・サピエンス(英知あるヒト)とされるにもかかわらず、だ。これを世に、神学論争という。きょうは、長崎の日。
短写422 かみのなに よりておとせし ひのたまを
        なほぎとせるは なぞやなぞなる
【写真】先日、旅客機から。

短歌写真421 焦熱と

2007-08-08 00:45:00 | 短歌写真
2007-0808-yts421
焦熱と分かずに消えし数多ひと
けふの黄薔薇を見ることもなく   悠山人

○短歌写真、詠む。
○黄色は幸せの色、との流布による。
短写421 せうねつと わかずにきえし あまたひと
        けふのきばらを みることもなく
【写真】近くの公園で。