花の顔
すこしさびしく
秋立ちぬ 悠山人
○俳句写真、詠む。
○向日葵畑に、顔見立ての花が、いくつかあった。花顔いわく、もう秋、なんて言わないで、と。八月八日は、はや立秋。
□俳写138 はなのかほ すこしさびしく あきたちぬ
【写真】前に同じ。
2007-0806-yts418
この年も葉月むゆかを迎へたり
百日紅の燃えさかるなか 悠山人
○短歌写真、詠む。
○近づこうとすればするほど、遠くなるもの-それは平和。広島連作1。
¶むゆか(六日)=死者への忌詞。(『広辞苑』) 「葉月むゆか」(八月六日)で、「広島原爆忌」。「燃えあsかる」は縁語。
□短写418 このとしも はづきむゆかを むかへたり
ひゃくじつこうの もえさかるなか
【写真】ことしは夾竹桃に代えて、百日紅にしてみた。先日、公園で。
2007-0804-yts416
くれなゐに咲き出でたればから衣
着けし槿ぞつゆ忘れざる 悠山人
○短歌写真、詠む。
○平安朝をと思ひつつも、道未だし。われは宛(さなが)ら、シシュフォスのごとし。
¶から衣=唐衣・韓衣、平仮名では不分明だが、「槿」が韓国国花であることから、後者とする。読みは「からぎぬ」「からごろも」で、音調から決める。
¶つゆ=「雨の露」と「少しも」を掛ける。
□短写416 くれなゐに さきいでたれば からごろも
つけしむくげぞ つゆわすれざる
【写真】前夜の雨が花びらに残る。昨朝、自宅。
2007-0801-yts413
遠きよりふりてかへれば懐かしく
文月こもれるききゃうなるかな 悠山人
○短歌写真、詠む。
○後半だけで俳句と考えたが、「文月」「桔梗」が季語衝突。「遠き」は「埃土」も可。
¶ふりてかへれば=「振り返る」「経り帰る」。
¶文月(ふづき)こも(篭)れる=七月末日。「月篭り」が「つごもり」、晦日、月末日。
¶ききゃう=「帰京」「帰郷」「桔梗」の歴史仮名は、全く同じ。
□短写413 とほきより ふりてかへれば なつかしく
ふづきこもれる ききゃうなるかな
【写真】文月晦日(つごもり)、つまりきのう、真夏日の自宅庭で。