悠山人の新古今

日本初→新古今集選、紫式部集全、和泉式部集全、各現代詠完了!
新領域→短歌写真&俳句写真!
日本初→源氏歌集全完了!

俳句写真138 花の顔

2007-08-08 00:40:00 | 俳句写真
2007-0808-yhs138

花の顔
すこしさびしく
秋立ちぬ   悠山人


○俳句写真、詠む。
○向日葵畑に、顔見立ての花が、いくつかあった。花顔いわく、もう秋、なんて言わないで、と。八月八日は、はや立秋。
□俳写138 はなのかほ すこしさびしく あきたちぬ
【写真】前に同じ。

短歌写真420 ひまはりの

2007-08-07 03:50:00 | 短歌写真
2007-0807-yts420
ひまはりの花びらつよく波うちて
生命のちからさこそとぞ見ゆ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○向日葵。近付いてしみじみ眺めているうちに、花片のダイナミズムからひらめく。そういえばゴッホにしても、岡本にしても、この曲線を強烈に意識した芸術家であった。
短写420 ひまはりの はなびらつよく なみうちて
        いのちのちから さこそとぞみゆ
【写真】同前。

image398 向日葵畑

2007-08-07 03:45:00 | images
2007-0807-yim398
title : sunflowerField
yyyy/mm : 2007/08
memo : 東京周辺では、最大級の向日葵畑。サンフラワー・フェスタ(北杜市)で、先日。有名になって、悪しき商業主義がはびこるのを見るのは、悲しい。

短歌写真419 忘れえぬ

2007-08-06 00:05:00 | 短歌写真
2007-0806-yts419
忘れえぬかの日のたまをしのびては
真白き花ぞ悲しかりけれ   悠山人

○短歌写真、詠む。
○作者の脳裏では、赤は生あるものの血、白は巨大な人工太陽(核爆弾)。後半、「ぞ」を係結びとすれば、結語は「ける」。
¶日のたま=「日(太陽)の玉(この場合は原子爆弾の上空炸裂)」「当日の(死者の)魂」を掛ける。広島連作2。
¶真白き=炸裂について、ここでは「白く」の証言を採った。近年の「ホワイト・アウト」という言葉も、視野にある。
短写419 わすれえぬ かのひのたまを しのびては
        ましろきはなぞ かなしかりけれ
【写真】同前。

短歌写真418 この年も

2007-08-06 00:00:00 | 短歌写真

2007-0806-yts418
この年も葉月むゆかを迎へたり
百日紅の燃えさかるなか   悠山人

○短歌写真、詠む。
○近づこうとすればするほど、遠くなるもの-それは平和。広島連作1。
¶むゆか(六日)=死者への忌詞。(『広辞苑』) 「葉月むゆか」(八月六日)で、「広島原爆忌」。「燃えあsかる」は縁語。
□短写418 このとしも はづきむゆかを むかへたり
        ひゃくじつこうの もえさかるなか
【写真】ことしは夾竹桃に代えて、百日紅にしてみた。先日、公園で。


短歌写真417 泡沫の

2007-08-05 04:00:00 | 短歌写真
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泡沫の湧きて消ゆるを酔ひ見れば
輪回転生かくありなんか   悠山人

○短歌写真、詠む。
○取っ手を回せば、電気が生じて泡が出る、というあの装置。心象増幅して、E.A. ポウのメイルストロムの気持ちになった。「酔ひ見る」は、時系列からは、逆であるが、語調をととのえた。
短写417 はうまつの わきてきゆるを ゑひみれば
        りんねてんしゃう かくありなんか
【写真】水槽の強化ガラス外側の上部から、ほぼ垂直に下部を撮影。絞り優先のスロウ・シャッタなので、光条がランダムに動いている。いったんグレイ・スケイルで階調を整えてから、再びポリクロウムに戻した。先日、エネルギーセンターで。
【memo】昨日、冷房の効きすぎた映写室で、『ダヴィンチ・コード』の、こんどは日本語版を観た。前半の緊張に比べて、後半の緩慢、とくに結末のあっけなさ、という感想は、前回と変わらない。ただこれは、原作のせい。素材の欲張りすぎ、アイコノロジーやアナグラムの牽強付会など、さまざまな批判はあるにしても、なお映像化した監督には敬意を表したい。続篇もありとか。

短歌写真416 くれなゐに

2007-08-04 02:55:00 | 短歌写真

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くれなゐに咲き出でたればから衣
着けし槿ぞつゆ忘れざる   悠山人

○短歌写真、詠む。
○平安朝をと思ひつつも、道未だし
。われは宛(さなが)ら、シシュフォスのごとし。
¶から衣=唐衣・韓衣、平仮名では不分明だが、「槿」が韓国国花であることから、後者とする。読みは「からぎぬ」「からごろも」で、音調から決める。
¶つゆ=「雨の露」と「少しも」を掛ける。
短写416 くれなゐに さきいでたれば からごろも
        つけしむくげぞ つゆわすれざる
【写真】前夜の雨が花びらに残る。昨朝、自宅。


短歌写真415 わがすべを

2007-08-03 00:00:00 | 短歌写真
2007-0803-yts415
わがすべを余すところのなきがごと
大き眼に見守られしか   悠山人

○短歌写真、詠む。
○園内灯を見上げているうちに、「見る、見られる」の重要性を指摘した、哲学者のことが思い出された。あれはJ.-P. サルトルであったか・・・。「大いなる」は、近代以後の用法。古語では、「大き」「大きなり」。「目、眼、め、まなこ」は古語。
短写415 わがすべを あますところの なきがごと
        おほきまなこに みまもられしか
【写真】近くの公園で、先日。

短歌写真414 やうやうと

2007-08-02 04:00:00 | 短歌写真
2007-0802-yts414
やうやうと梅雨明けたりし夕空の
丁亥葉月朔に燃ゆるも   悠山人

○短歌写真、詠む。
○きのう午前、関東地方の梅雨明け。平年比十二日、昨年比二日の遅れ、と気象庁。初句、普通は「やうやうに」。
¶丁亥(ひのとゐ)葉月(はづき)朔(さく)=二〇〇七年八月一日。さらに言えば、この写真のタイム・スタンプは正十九時、つまり「酉戌(とりいぬ)」。
短写414 やうやうと つゆあけたりし ゆふぞらの
        ひのとゐはづき さくにもゆるも
【写真】「夕日」設定で撮影し、四辺を少し切り落として自動補正(色調)しただけ。自宅屋上から、推定方位300。

短歌写真413 遠きより

2007-08-01 01:00:00 | 短歌写真

2007-0801-yts413
遠きよりふりてかへれば懐かしく
文月こもれるききゃうなるかな   悠山人

○短歌写真、詠む。
○後半だけで俳句と考えたが、「文月」「桔梗」が季語衝突。「遠き」は「埃土」も可。
¶ふりてかへれば=「振り返る」「経り帰る」。
¶文月(ふづき)こも(篭)れる=七月末日。「月篭り」が「つごもり」、晦日、月末日。
¶ききゃう=「帰京」「帰郷」「桔梗」の歴史仮名は、全く同じ。

□短写413 とほきより ふりてかへれば なつかしく
        ふづきこもれる ききゃうなるかな
【写真】文月晦日(つごもり)、つまりきのう、真夏日の自宅庭で。