青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

続・ベニシジミ物語 8 フカミドリフチベニシジミ(その2)

2011-03-22 11:19:25 | チョウ






雲南省保山市高黎貢山百花嶺2007.7.6【17:29】 




(第8回)フカミドリフチベニシジミHeliophorus viridipunctata Ⅱ

フカミドリフチベニシジミは、雲南の各地に於いては、ちょうど日本のベニシジミに相当する普遍的なチョウの一つではないかと思われます(四川省西部の成都市西郊一帯ではサファイアフチベニシジミがこれに代わります)。そのためもあってか、あちこちで見た記憶があるにも係わらず、(真面目に撮影していないのでしょうか)意外に写真が少ないのです。あるいは、撮影はしたのだけれど、ついでに1カットとか2カットだけ、ということで、どこかに紛れ込んでしまって、見つけ出せないまま、というのも有りそう。事実、夏期の大理蒼山での撮影カットは多数あるはずなのですが、(前もってワードに張り付けてあるものを除いては)行方不明で探し出せません。

ということで、フカミドリフチベニシジミ夏型は、たまたま多数の個体の撮影写真が出てきた、雲南高黎貢山百花嶺産を中心に紹介していきます。実のところ、今回「ベニシジミ特集」をやろうと思い立ったのは、膨大な数の写真の整理中、この2007.7.5-6百花嶺での撮影カットの7割ぐらいを見付けだしたので、その中の多くを占める、アオミドリフチベニシジミとフカミドリフチベニシジミを紹介しておこうと思い立ち、どうせなら他のベニシジミ類も、と考えて、シリーズ化と相成ったわけです。

集落の畑脇で撮影した2007.7.5の分は、全てアオミドリフチベニシジミで、フカミドリフチベニシジミは原生林内の草地で撮影した7.6の分にのみ含まれています。アオミドリフチベニシジミとは完全な混棲をしていて、翅裏の模様による区別を把握していないことから、そこで写した♀がどちらの種に属するかの判別は出来ないでいます。詳細については、アオミドリフチベニシジミ(その2)の項で述べて行きます。



   

   
フカミドリフチベニシジミ Heliophorus viridipunctata[夏型♂(全て別個体)]
1段目左:夏型♂:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
1段目中:夏型♂:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
1段目右:夏型♂:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
2段目左:夏型♂:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
2段目中:夏型♂:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
2段目右:夏型♂:四川省天全県二朗山中腹2009.8.4
7段目左:夏型♂:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
7段目中:夏型♂:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
7段目右:夏型♂:雲南省大理市蒼山中腹2007.7.12
8段目左:夏型♂:雲南省大理市蒼山中腹2007.7.12
8段目中:夏型♂:雲南省大理市蒼山中腹1995.7.27
8段目右:夏型♂:雲南省大理市蒼山中腹1995.8.1
*撮影地点は、春・夏型とも、いずれも標高2000m前後(1800m~2300m)




   

     
フカミドリフチベニシジミ Heliophorus viridipunctata[夏型♀翅表と♂♀翅裏(全て別個体)]
1段目左:夏型♀:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6(アオミドリフチベニシジミの可能性もあり)
1段目中:夏型♀:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6(アオミドリフチベニシジミの可能性もあり)
1段目右:夏型♀:四川省天全県二朗山中腹2009.8.4(キンイロフチベニシジミの可能性もあり)
2段目左:夏型♀:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6
2段目中:夏型♀:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6(アオミドリフチベニシジミの可能性もあり)
2段目右:夏型♀:雲南省保山市高黎貢山白花林2007.7.6(アオミドリフチベニシジミの可能性もあり)
3段目左:夏型♀:雲南省金平県(北方の峠上)1995.4.14
3段目中:夏型♀:雲南省大理市蒼山中腹1995.8.1
3段目右:夏型♀:雲南省大理市蒼山中腹1995.7.27





↑怒江(サルウイン河)の畔から望む高黎貢山東面、写真中央辺りに百花嶺があります。2005.2.5(借り物のデジタルカメラで撮影)。アオミドリフチベニシジミⅠにも同地点からの写真を紹介しています。





↑アオミドリフチベニシジミとフカミドリフチベニシジミが混棲する林内の草地。百花嶺の標高2000m付近(アオミドリフチベニシジミⅡにも同じ場所の写真を紹介しています)。2007.7.6





↑フカミドリフチベニシジミ♂裏面。外縁の朱色が鮮やかです。高黎貢山百花嶺2007.7.6【13:32】(撮影時間のリストはアオミドリフチベニシジミⅡの末尾に掲載)









↑高黎貢山百花嶺2007.7.6【13:32~33】







↑♀は♂のように活発な活動はせず、茂みにひっそりと止まっています。アオミドリフチベニシジミとフカミドリフチベニシジミの♂が共に見られるため、どちらの種に属するのかは不明です。高黎貢山百花嶺2007.7.6【13:32~33】





↑占有姿勢をとる2頭の♂。高黎貢山百花嶺2007.7.6【17:29】







↑♂(上)♀(下)とも、たまに花(未同定)を訪れます。高黎貢山百花嶺2007.7.6【上17:29/下17:51】







↑♂(上)♀(種不明・下)。午後5時頃には多数見られたアオミドリフチベニシジミ♂は、5時半頃には姿を消してしまいました。6時頃になると、フカミドリフチベニシジミ♂の活動も静まって来ます。高黎貢山百花嶺2007.7.6【上17:58/下18:02】






↑雲南省昆明市西山。1995.4.3





↑雲南省緑春。1995.4.14





↑雲南省金平。1995.4.7





↑雲南省大理蒼山。1995.8.1 











↑四川省天全県二朗山両河口2009.8.1。前の写真で終えるつもりでいたら、四川省でも撮影しているはずなのを思い出し、急遽探し出して追加しました(随分写真枚数が増えてあや子さんには申し訳なく思っています)。今の所、雲南省の各産地から飛び離れた東北方面での記録地です。本項の組み写真とキンイロフチベニシジミⅡで紹介した「どちらの種か解らない♀翅裏」の写真の個体は、前日、ほぼ同一地点で撮影したものです。二朗山の峠の20㎞ほど手前(以前紹介した、夜中に辿りついて泊まったゲストハウスの少し手前)で、「喇叭河」という山岳リゾート?自然公園への分岐点(標高は1800mくらいでしょうか)。5000m級の稜線(導遊図の上辺)を隔てて、「東拉紀行」で紹介した東拉渓谷(サファイアフチベニシジミを撮影)、その東にキンイロフチベニシジミを撮影した西嶺雪山があります。









コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2006.11.6 屋久島モッチョム... | トップ | 2006.11.6 屋久島モッチョム... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

チョウ」カテゴリの最新記事