エメラルドの天然石ルースと合成石モルダバイト
天然石のエメラルドルースと合成石のモルダバイトを手に入れました。
天然石のエメラルドルース(10.6ct)、大雑把にペアーシェイプ風にカットされています。
不透明な不純物が多く含まれていているようで、濁った暗緑色です。
前後に偏光フィルターを置いた透過光の画像です。石を90度回転してみたのですが、画像に変化は見られません。明確な結晶軸は無いようです。透明度の少ないし均一な質ではないので、品質の良いものではないのですが、それが天然石として普通の状態なのでしょう。均質な結晶ではないようです。
エメラルドは他に小さい石を持っているのですが、質の良くない天然石のエメラルドがどのような状態なのか確認したくて手に入れた次第です。市場に出ている高価なエメラルドは不純物はほとんど見られず、透明で均一な緑色です。原石からそのような部分を取り出して加工しているので、価値が高いわけです。ダイヤモンドやルビー、サファイアなど、宝石は皆そのように加工されています。
エメラルドカットされた合成のモルダバイト(14.9ct)です。
蛍光を発しますが、やはり明確な結晶軸は無いようです。というか、そもそも結晶ではないので。
透明度の高い合成石です。合成石だからこそ、透明で不純物のない石なのですが。
「モルダバイトとは、隕石の地球衝突時に生成されたテクタイト(天然ガラス)の一種です。 グリーンのものはチェコでしか産出されず、それがモルダバイトと呼ばれ世界中でコレクターが存在する希少石として扱われています」(ネット情報)
モルダバイトの合成石とは、なんでも合成で石を作ってしまうのですね。ただのガラス?なのでは・・・でもきれいなエメラルドグリーンで蛍光を発しています。
ー追伸ー
テクタイト、モルダバイトを調べてみました。
隕石が地球に衝突し際に物質が高温で溶け、そのあと急激に冷却されてガラス質が固まったもので、結晶ではありません。その中でも透明感があり、緑色をしているものがモルダバイトと呼ばれています。比重が小さく(2.30~2.36)、へき開もありません。非結晶なので偏光しません。硬度は5~6で軟らかい石です。まあ色のついたガラスということですね。「組成はSiO2(二酸化ケイ素:ガラスや陶磁器などの原料)が主で、AI Fe Ca Na K Ba Mg Ti Mn Cu Sr などを含む」そうです。(ガラスの密度 ソーダ石灰:2.5、シリカ:2.2、鉛クリスタル:3.0で、硬度は6~7程度)
チェコのモルダウ河の近くに落下した隕石で作られたテクタイトが、透明なグリーンの発色をしていてモルダバイトと呼ばれています。隕石に含まれていた物質、隕石落下地点の鉱物の質の為なのか、グリーンのテクタイトはここでしか産出しません。
宝石の比重(密度)一覧をのせておきます。
宝石名 比重(密度)
オパール 2.10
モルダバイト 2.30~2.36
水晶 2.65
エメラルド 2.71
真珠 2.71
トルコ石 2.80
ラピスラズリ 2.80
トルマリン 3.06
ひすい 3.33
ペリドット 3.34
ダイヤモンド 3.52
トパーズ 3.54
スピネル 3.60
マラカイト 3.80
ルビー 4.00
サファイア 4.00
イメージでは軽い感じの真珠より、モルダバイトはさらに軽いのですね。というか真珠が意外と重いということか。エメラルドと同じ比重。
エメラルドの緑色には、人をとりこにする魅力があります。透明度の高い高品質の石に希少価値があるだけでなく、エメラルドグリーンには人を引きつける何かがあるのだと思います。このモルダバイトも合成石とはいえ、きれいな緑色です。天然のモルダバイトは、もっと褐色がかった暗緑色のようです。希少性で人気があるようです。
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