フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

写真、特に沖縄の・・・ カメラ、万年筆、腕時計など蒐集、修理復活などなど・・・写真と物の世界に嵌っています。

小粒のエメラルド天然石

2021-09-06 15:29:53 | 宝石

小粒のエメラルド天然石

 オーバルとスクエア、バゲットに大まかにカットされた、0.3ct~(径が3~5mm程度です)の小粒のエメラルドです。

色ムラ、傷、割れもたくさんあります。

ライトプレートの上にルーペを置いて、ルーペの上下に偏光フィルターを置きます。

 上下のフィルターの偏光軸を合わせた画像です。石の偏光軸がフィルターと一致しているものは、光が透過して透明に見えてます。

 偏光軸を一致させた画像と90°回転させた画像です。

 石には色むらがありますが、その箇所は光が偏光されて透過しないのですね。フィルターを90°回転させた画像では、きれいな緑色に輝いて見えます。

続いてオーバルカットの石です。こちらは少し大きいですね。長径は、5mmほどあります。

 左がフィルターの偏光軸一致、右が45°回転したものです。

偏光軸を90°回転した画像です。色素の濃い箇所が、きれいな緑色に見えます。

 偏光されていない光で見ると傷や割れ、色むらがたくさんあります。色の濃い箇所が偏光光で見るときれいな緑色に見えるのですね。

 天然石のエメラルドは、こんな状態のものがほとんどなのですね。傷や割れ、色むらのない透明度の高い大きな石は、滅多に採れないし非常に希少価値高いのでしょう。
 天然石の状態を見ようと手に入れたエメラルド、何となく感じがつかめたかなw...

( ^ω^)・・・

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エメラルドの天然石ルースと合成石モルダバイト

2021-08-31 19:43:06 | 宝石

エメラルドの天然石ルースと合成石モルダバイト

天然石のエメラルドルースと合成石のモルダバイトを手に入れました。

 天然石のエメラルドルース(10.6ct)、大雑把にペアーシェイプ風にカットされています。

 不透明な不純物が多く含まれていているようで、濁った暗緑色です。

 前後に偏光フィルターを置いた透過光の画像です。石を90度回転してみたのですが、画像に変化は見られません。明確な結晶軸は無いようです。透明度の少ないし均一な質ではないので、品質の良いものではないのですが、それが天然石として普通の状態なのでしょう。均質な結晶ではないようです。
 エメラルドは他に小さい石を持っているのですが、質の良くない天然石のエメラルドがどのような状態なのか確認したくて手に入れた次第です。市場に出ている高価なエメラルドは不純物はほとんど見られず、透明で均一な緑色です。原石からそのような部分を取り出して加工しているので、価値が高いわけです。ダイヤモンドやルビー、サファイアなど、宝石は皆そのように加工されています。

 エメラルドカットされた合成のモルダバイト(14.9ct)です。

蛍光を発しますが、やはり明確な結晶軸は無いようです。というか、そもそも結晶ではないので。

 透明度の高い合成石です。合成石だからこそ、透明で不純物のない石なのですが。

 「モルダバイトとは、隕石の地球衝突時に生成されたテクタイト(天然ガラス)の一種です。 グリーンのものはチェコでしか産出されず、それがモルダバイトと呼ばれ世界中でコレクターが存在する希少石として扱われています」(ネット情報)
 モルダバイトの合成石とは、なんでも合成で石を作ってしまうのですね。ただのガラス?なのでは・・・でもきれいなエメラルドグリーンで蛍光を発しています。

ー追伸ー
 テクタイト、モルダバイトを調べてみました。
 隕石が地球に衝突し際に
物質が高温で溶け、そのあと急激に冷却されてガラス質が固まったもので、結晶ではありません。その中でも透明感があり、緑色をしているものがモルダバイトと呼ばれています。比重が小さく(2.30~2.36)、へき開もありません。非結晶なので偏光しません。硬度は5~6で軟らかい石です。まあ色のついたガラスということですね。「組成はSiO2(二酸化ケイ素:ガラスや陶磁器などの原料)が主で、AI Fe Ca Na K Ba Mg Ti Mn Cu Sr などを含む」そうです。(ガラスの密度 ソーダ石灰:2.5、シリカ:2.2、鉛クリスタル:3.0で、硬度は6~7程度)

 チェコのモルダウ河の近くに落下した隕石で作られたテクタイトが、透明なグリーンの発色をしていてモルダバイトと呼ばれています。隕石に含まれていた物質、隕石落下地点の鉱物の質の為なのか、グリーンのテクタイトはここでしか産出しません。

宝石の比重(密度)一覧をのせておきます。


宝石名   比重(密度)
オパール   2.10
モルダバイト   2.30~2.36
水晶     2.65
エメラルド  2.71
真珠     2.71
トルコ石   2.80
ラピスラズリ 2.80
トルマリン  3.06
ひすい    3.33
ペリドット  3.34
ダイヤモンド 3.52
トパーズ   3.54
スピネル   3.60
マラカイト  3.80
ルビー    4.00
サファイア  4.00


イメージでは軽い感じの真珠より、モルダバイトはさらに軽いのですね。というか真珠が意外と重いということか。エメラルドと同じ比重。

 エメラルドの緑色には、人をとりこにする魅力があります。透明度の高い高品質の石に希少価値があるだけでなく、エメラルドグリーンには人を引きつける何かがあるのだと思います。このモルダバイトも合成石とはいえ、きれいな緑色です。天然のモルダバイトは、もっと褐色がかった暗緑色のようです。希少性で人気があるようです。

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コランダム合成サファイア

2021-05-16 10:00:00 | 宝石

コランダム合成サファイア赤(ピンク)

ルビーのようですが、赤いコランダムの合成サファイアです。

光を当てるとピジョンブラッドに近い赤色と、ややピンクがかった赤色です。

 7.2ctと7.3ct、合成とはいえ大きいです。つまり間違いなく合成・・・ですねw...

紫外線ライトをあてると、内部からの反射光で赤い蛍光を発します。

 合成とはいえ、自然石と同じ成分で結晶化されているので、本物と同じ性質を持っています。
 紫外線をあてると蛍光を発するのは紫外線の波長が短いので屈折率が大きく、宝石の内部に入射した光がカットされた石の表面で内部に反射されるのも一因と思われます。ガラスなどと違って宝石は結晶しているので、内部の結晶面での散乱、反射もあると思います。

 コランダムはダイヤモンドについで硬い鉱物で、ルビー、サファイア、エメラルドも無色透明なコランダムに不純物が混入して赤や青、緑に発色したものです。
 赤色のコランダムはルビーなのですが、ブルーだけでなく赤以外のコランダムはみなサファイアと呼ばれます。これはピンクサファイアに分類されるのでしょう。たしかに合成ルビーと比べると、赤色が薄紫に近いです。

ーついでの話ー
 チャールトン・ヘストン主演の「ベン・ハー」で、ローマの将軍からベンハーに与えられた大きな赤い宝石の指輪、それが気になって・・・この石で指輪を作ろうかなw...

 ローマの将軍がつけていた指輪の赤い宝石ですが、時代考証としてルビーではない。ルビーは、ビルマ(ミャンマー)産が有名ですがそれ以外にベトナム、カンボジア、タイ、スリランカ、マダガスカル、タンザニア、モザンビーク、そして中央アジアなどからも産出します。赤いサファイアは大変珍しいものですが、サファイアの産地もルビーとほとんど同じ地域です。(ヨーロッパでは中世以降にフランスで、わずかですがブルーのサファイアが産出されるそうです)
 「ベン・ハー」は、実際の歴史ではなく創作された紀元30年ころの物語ですが、その当時エルサレム今のイスラエルはローマに占領されており、そのころのローマの支配地域(地中海沿岸のヨーロッパ、北アフリカ、中東)には、ルビーの産地はありません。東南アジアやインド、マダガスカルとは交易もなかったと思われます。赤い宝石と言えば他にガーネットがありますが、これも産地はアフリカやインド、ロシアなどで、この時代にローマでは手に入らなかったでしょう。
 ということで映画の中での話ですが、ローマの将軍がつけていた赤い宝石の指輪は、時代考証的にはあり得ない・・・少なくともルビーやガーネットではないということですね。
 それが何か? しょうもない話で、すみません^
_^;

ー追伸ー (2021.5.26)
 先日、NHK/BSを見ていたらローマ時代の少女のミイラが最近発見されて、首にブルーサファイアのネックレスがかけられていました。当時のローマ帝国の支配地域では、サファイアは産出されてはいないはずなのに。おそらくペルシャ、インドとの交易があったのでしょう。と言うことは、ルビーやガーネットもローマにもたらされていたかもしれません。なので「ベンハー」でローマの将軍が赤い宝石の指輪をしていてもおかしくはない・・・ということですね。しつこい話で、すみませんでしたw...

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紫外線ライトと偏光顕微鏡で見る宝石

2020-11-26 10:00:00 | 宝石

紫外線ライトと偏光ルーペで見る宝石

 偏光ルーペを自作したので改めて宝石、色々あるので紫外線ライトを当てたり偏光ルーペで見たりしてみます。

 紫外線ライトを当てた、サファイアです。

 紫外線ライトを当てると、また違った輝きですね。

 

 自然光に当てた合成ルビーです。実際はもっと深紅、ピジョンブラッドに見えます。合成なので傷や濁りもなく、クリアです。屈折率が高いので当たった光が石の内部で反射して、輝いて見えます。

 紫外線ライトに当てた画像です。

 赤色が蛍光を発して、鮮やかに発光しています。

 

 小さくスクエアにステップカットされたエメラルドです。ルーペで見ると傷だらけで色むらが見えます。明らかに天然の石だと思います。偏光ルーペで見ると強い蛍光を発します。エメラルドの性質なのか、それとも石の内部に傷が多いからなのか・・・わかりませんが。

 輝いて見えます。石が自ら発光しているみたいです。エメラルドの輝きは、このような性質を持っているからなのかもしれません。

 いろいろと宝石を見ていると、ガラス玉・・・なのか合成なのか、それとも天然なのか判ってくるような気がします。勝手な思い込みなのかもw…

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宝石観察用の偏光ルーペ

2020-11-22 10:00:00 | 宝石

偏光顕微鏡もどき・・・のルーペ

 鑑定書なしの宝石、原石ルースがけっこうあるのでそれを偏光グラスで見てみようと、偏光ガラスプレートを作ってみました。最初に2mmのガラスプレートを用意して、縁はガラス切りで切りっぱなしの状態で危険なので、ダイヤモンドヤスリで研磨します。

 強く削ると角が欠けてしまうので、軟らかくソフトに何度も研磨し滑らかにします。

 ヤスリの目が粗かったためか、縁が欠けてしまっています。中砥仕上砥の砥石で砥ぐことにします。

だいぶ滑らかになったような・・・

 ガラスプレートに偏光シートを貼り付けます。

 二枚のシートの偏光方向を平行にすると光を透過し、直角にすると遮断します。しっかり偏光されています。

 偏光顕微鏡の構造は観察する対象物に下から光を当てて、その前後に偏光板を設置します。ライトボックスの上に作った偏光板を1枚のせて、その上にコの字型のルーペを置いてその上にもう一枚の偏光板をのせます。観察する宝石をルーペの枠の中に置きます。

 

 偏光板の偏光方向を直角にして下からの光を遮断し、石の偏光作用で光った宝石を観察します。偏光作用の無いガラスなどでは、対象物が光らず見えません。
 少なくともガラス玉w…ではないようです。

 サファイアとルビーです。石の置く方向を90度変えて観察してみます。光の強さが部分的に少し変わります。石が結晶していて偏光作用があるようです。
 サファイアとルビーは全く同じ鉱物で、含まれる不純物の違いで青と赤の異なる発色をします。両方とも「へき開」はないのですが、やはり結晶方向には割れやすいです。その方向にわずかな隙間があればより大きな偏光がみられるのでしょうが、サファイアもルビーもへき開度がほとんどないので、虹色に輝くようには見えません。へき開度が完全な、例えばダイヤモンドなどは、偏光フィルターを通して見ると石が虹色に輝いて見えるのでしょう。

天然のレッドスピネルです。

 カットされていないレッドスピネル、一方向の偏光ではあまり光が透過していないようなのに、2方向クロスの偏光では、鮮やかな深紅の透過光が見られます。

合成のブルーグリーンスピネルです。

 一方向の偏光ではガラス玉のように見えますが、2枚の偏光フィルターの間に置くと緑の蛍光に輝いて見えます。合成の石なので不純物やヒビなど無くて、大変きれいです。

 左の写真、これは天然のブルーサファイアです。きれいな石なので合成のようにも見えますが、ルーペで確認してみるとヒビや不純物、気泡などがあって、天然のサファイアですね。右の写真、左のサファイアと下はグリーントルマリンです。(気泡があるのは、含侵があるということなのですが、天然の石に染料の含侵があるということだと思います。)

 偏光フィルターを通して見ます。

 石を斜めに置くと光の透過量が、まったく変わりますね。明らかに偏光しています。光が偏光されるからといって本物のサファイア、トルマリンとは言えないかもしれませんが、少なくとも結晶構造は持っているということですね。たぶん本物ですね。安く手に入れた石ばかりなので、本物かどうかそればかりが気になってw…

 10ctある大玉の合成ルビーです。大きすぎてちょっと上品さには欠けますが、かなり赤い色をしています。

 石を縦、横に置いて見え方を比べてみます。光は透過して赤紫の蛍光ですね。

続いて、石を斜めに置いてみます。

 偏向して暗く見えます。しっかり結晶していますね。色も写真では赤紫色に見えますが、実際はもっと赤いピジョンブラッドです。オーバルファセットカットされているので、前面から入った光が内部で全反射されて入射した面に戻ってきます。

 手作りの偏光顕微鏡(ルーペ)、なかなか優れものですねw…

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